今回は京都市伏見区にある伏見桃山陵のご紹介です。
JR桃山駅を東にある山へ向かって歩いていきます、文字通り一見すると山で遠目から見ると立派な山城が見える辺りです。
知名度のほどは不明ですが、この伏見桃山城の麓には明治天皇のお墓『明治天皇陵』があるんです。恐らく近所の『乃木神社』から見てもただの森にしか見えない陵墓。
でも中に入ってみるとすごいんです。必見では今回は明治天皇伏見桃山陵に一礼。
古墳概要
この古墳は京都市伏見区にあります。お酒で有名な伏見の街を一望する桃山の西側に位置していて、近づけば森、遠目には伏見桃山城(伏見桃山キャッスルランドの跡)が見えるという何とも不思議なシチュエーションにあります。
古墳って埋葬品などから研究を続け、被葬者を推定、または特定しているものなので、宮内庁の治定と研究結果が相違している箇所がしばしば。
ですが流石にここははっきりしています、明治天皇。大政奉還から明治維新、日英同盟、日清戦争・日露戦争という日本が江戸時代から明治時代に向けて近代化しようとする正にそんな激動の時代に生きた令和天皇から数えて4代前にあたる、第122代天皇です。
墳丘の形状は上円下方墳というあんまり聞きなれない名前かもしれませんが、前方後円墳が前に円形、後ろに方形の二つが折り重なった鍵型に対し、下の正方形(グーグルマップで見る限りどっちかと言うと丸みを帯びたホームベース)の上に丸い蓋をしたような形をしています。
古墳の建造は大正元年、文明開化によってすっかり近代化していた当時の日本の技術を以て製造されています。土台にあたる方形は一辺60m、高さ6.3mで、木棺を囲む内壁はコンクリート造りという百舌鳥古市古墳群などの一般的な古墳とはかなり趣を異にする形状をしています。
巡ってみる
御陵へはJR桃山駅から東の山手へ、御陵の周りはうっそうとした森になっているんですが、混雑する国道24号線の抜け道として地元の人が良く使う道沿いにあるので、結構車が行きかう中に入口があります。
大階段~拝所
道沿いからは森が完全に覆っているので窺い知ることもないんですが、森のヴェールを抜けると、そこにはこの立派な大階段が眼前に広がります。
その荘厳さにおののくと共に、この階段を登り切らないと拝所までたどり着けない、そんな絶望感など色んな感情がないまぜになってよく分からない気持ちになるんですが、ここは頑張って登りましょう、そうすれば突然視界は開け、陵墓に拝謁する際には清々しい気持ちで満たされている事と思います。
伏見と言う街自体が、この伏見桃山に向かってなだらかな坂になっている街なので、この山自体はそこまで標高が高いという訳でもないんですが、少し空が近づいた感覚が味わえて、そして振り返った先には伏見の街が一望できる展望スポットにもなっているので、とても見ごたえがあります。
伏見桃山東陵
この御陵から更に東へ進んだ先には明治天皇の皇后様が眠る伏見桃山東陵があります。
明治天皇陵よりさらに奥まった位置にあるのでよく見えませんが、隙間から見る感じ、同じ形状をしているように見受けられます。
明治天皇陵が山頂にあるのに対し、東へ一段山を下った位置にある、明治天皇にいつも寄り添っていた皇后の姿を偲ばせる陵墓です。
御陵内
昔は敷地内に立ち入りは出来ないものと思っていたんですが、少なくとも今はがっつり隅々まで散策が可能です。御陵周り以外は遊歩道のように整備されていて、近所の方だろう散歩やジョギングする人たちとちょいちょいすれ違います。よく整備が行き届いた綺麗な歩道の為、歩いていて気持ちがいい場所です。
アクセス
- 住 所:〒612-0831 京都府京都市伏見区桃山町古城山
- 駐車場:あり。
JR奈良線『桃山駅』徒歩18分。駐車場有り。
まとめ
今回はこれで以上です。
古墳と言うのは大体が1000年超の時を挟んで残されてきた太古のロマンを巡る場所といったところですが、この古墳は建造からまだ100年程度、そういった意味での歴史はありません。
その代りという良い方が正しいか不明ですが、近代技術で造られた立派な陵墓は中々他で見られるものではないので、中々斬新なものとして感じられることと思います。
近代型古墳、伏見観光の際にはお勧めの一つです、思う存分汗を掻き階段を登り切った先には素晴らしい景色が待っていますよ。