今回は京都府城陽市にある蔵元さん『城陽酒造』のご紹介です。
『城陽で酒造り?』そんな印象を抱くかもしれません、京都の酒蔵といえば何といっても伏見がありますからね。
城陽は昔から『五里五里のさと』と呼ばれています。呼び名は知っていましたがその響きにはなじみがなく
何それ??
と言うのが正直な感想。初めて聞いたという人も多いのでは。
あなたが無知なだけよ☆
鋭意勉強中です。
では、今回は五里五里の里の蔵元さん『城陽酒造』さんにお邪魔します。
蔵元紹介
この酒蔵さんは城陽市にあります。梅林と梅干の里として有名な青谷梅林の近所で、この辺りは昔京都ー奈良の街道として栄えた地域です。
『五里五里の里』というのは近所に看板も出ていて、僕もここにお邪魔するまで有料老人ホームの名前と信じて疑わなかった訳ですが、ごりごり=五里五里、つまり京都からも奈良からも五里(20kmくらい)のちょうど中間地点の里、という意味なんだそうです。今もこの酒蔵を含め、この界隈はそんな時代の景観が残っています。
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城陽は今やベッドタウンとしてあちらこちらにマンションや一戸建てが立ち並び、近々新名神高速が開通したり、大型ショッピングモールが出来たりとバブル絶頂を迎えていますが、昔は田んぼと山と川が広がるのどかな地域でした。
城陽酒造さんはその豊かな自然に囲まれた造り酒屋さんで、昔から地下100mにある木津川の伏流水(川の下の部分の層を流れる地下水の事)を使用し、昔からこだわりを持って酒造りを営んでいるそうです。
毎年春に行われる蔵開きイベントでは試飲や利き酒大会、屋台などで、地元の人やここのお酒のファンなど多くの人が訪れる事からも、こちらが色んな人に慕われている事が伺えます。
お酒のラインナップ
色んな種類のお酒が揃えられています、さらっとしたやつから味わい深いものから清酒からにごりまで。
作りたての生原酒は量り売り。
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城陽青谷という場所は昔から梅の里として有名で、今でも青谷梅林とい梅の名所が近所にあるだけに、梅酒の取扱いも豊富。
インテリアに趣向が凝らされていて、この棚たちは昔使っていた樽や酵母室で使用されていたものなんだとか。そう聞くと俄然重みを感じます。
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色や風合いに歴史が感じられ、渋くて格好いいですね☆
飲んでみた
今回もいくつか購入してみました。
へそまがり
まずはこのへそまがり。お店の方一番のお勧めなんだとか。
口当たりはまろやか、甘い感じにふんわりと鼻を抜ける香り。日本酒とブランデーの良い所を合わせたような感覚で、とても飲みやすく美味しいお酒です。
日本酒やけど洋酒っぽい感じもあるので、こんな感じで。ホタテのポワレに燻製ササミとアスパラを添えて。ソースは鰹出汁とポン酢で作ってみました。
何か茶色いんよね
慣れない事をするとそんなもんです。
にごり酒
いわゆるにごり酒です。見た目の通り真っ白に濁っています。
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うん、見たまんまね☆
日本酒ってたまに薄い琥珀色のものなんかもありますけど、大体透明ですよね。あれは、作る工程の最後の方で醪(もろみ)からしっかりと絞っているからなんです。その時に出来るお酒の搾りかすを酒かすなんてよんだりします。
清酒はこの絞る工程をしっかりするので透明なんですが、これを雑に敢えて粗くすることでこの白いのを残して作られたのがこのにごり酒です。この白い靄みたいなのは『澱(おり)』と言います。
特徴は総じて甘いです、キリっとした日本酒が飲みたい、なんていうリクエストとはおよそ真逆のお酒と言えるかもしれません。
ものによっては微炭酸というんでしょうか、軽い発泡を感じることもできるんですがこちらのにごりはそんな感じではありませんでした。
お勧めは何といっても冷や。と言うか甘酒並みに甘いのでぬるかったりすると甘ったるくて個人的には飲めないものになってしまいます。
アクセス
- 営業時間:8時30分~17時30分(土曜日のみ9時00分~17時00分)
- 定休日:日曜日
- 駐車場:なし
- 住 所:〒610-0116 京都府城陽市奈島久保野34−1
JR奈良線『山城青谷』駅徒歩4分。駐車場なし、イベントなどやっていない時は、お願いすれば敷地に止めさせてもらえるかも。
まとめ
今回はこれで以上です。
五里五里の里とは言いますが、観光の事を考えれば京都市内も奈良市内もとてもじゃないですが、ついでに行ける立地ではありません。昔はどこまでが奈良でどこからが京都と呼んだか不明ですが、きっと地名の端っこの方を指しての事だったんでしょう。
春は梅林、初夏にかけて梅の実や梅干し屋さんが軒を連ねたりもするので、そちらと合わせて訪れてみてはいかがでしょう。