今回ご紹介するのは、大阪にある豊国神社です。
大阪城内に位置するこの豊国神社は『ほうこくじんじゃ』と読み、全く同じ字を書く京都の豊国神社は『とよくにじんじゃ』と読みます、ややこしい。
読み方は違うものの、お祀りするのは豊臣秀吉で同一。お参りする事で期待できるご利益は勿論『出世海運』、『商売繁盛』。ではそんな豊国神社に一礼。
神社概要
この神社はかつての大阪城跡に建立された神社です。その歴史は意外と新しく明治時代、明治天皇の大阪行幸に端を発します。秀吉公の国家への功労を称え、奉祀するよう仰せになった事を受け、京都にまず豊国神社本社が再建、次いで大阪に別社として建立されたのがこの大阪の豊国神社という訳です。
当初、今でいう中之島辺りに建立されたのが移されて今日に至ります。
江戸時代においては徳川の政権下において豊臣は恐れられ、徹底的に所縁のものをぶち壊されました。
その為、おおっぴらに豊臣秀吉をお祀りしています、なんていう神社は当然NGでした。当初1599年秀吉死後1年で建立された京都豊国神社もとりつぶしこそ免れたものの、江戸時代においては廃社同然の扱いだったとか。この際朝廷から頂いたとされる神号もはく奪されてしまいます。今日この神社と豊臣秀吉の偉業に触れることが出来るのはひとえに明治天皇のお陰という訳です。
この神社のご祭神は豊臣秀吉、それにその縁者である豊臣秀頼、秀長も配祀しています。京都の豊国神社が豊臣秀吉公のみとされているのに対し明確な違いと言えます。
神社のご利益は勿論開運出世、それから商売繁盛、秀吉公と言えばやはりこの二つは外せないワードでしょう。
境内散策
この神社は大阪城のお堀の南側に面して建てられています。立派な石鳥居は豊臣の権威と威厳の象徴のよう。またこの豊国神社は大阪でも有数のパワースポットとしても名高く、それは、神威もさることながら、その建つ位置にも関係しているとの事です。
ご拝殿・本殿
開放感ある境内の奥にあるのがご拝殿、そしてご本殿です。
秀吉公像
境内入口付近にはご祭神『豊臣秀吉』公像があります。凛々しさをにじみ出る公像の前は写真待ちの人で行列が。徳川によって恐れられ、憂き目にあった秀吉公ですが、平民の出にも拘らず、日本統一まで成し遂げた偉業は称えられ、人に慕われてしかるべき存在かと思います。
御朱印
御朱印は社務所にて頂けます。御朱印帳の取扱いもあり。
秀吉公所縁の神社だけあって、お守りにはひょうたん型のものが多くラインナップ。
パワースポットとしての豊国神社
豊国神社の境内は大阪城内にあって、大阪城は勿論豊臣家の居城だったわけですが、それ以前と言うのは結構知られていません。
石山本願寺というのをご存知でしょうか、本願寺とは戦国時代初期にはその信仰者に及ぼす影響力が強く、武装までしていた僧達です。
『一向一揆』といって、本願寺信徒による一揆は各地で起こり、戦国大名にとっての悩みの種になっていたのだとか☆
日本各地に信徒のいる本願寺派でしたが、畿内における元々の拠点は山科にありました。その後、その影響力は諸大名にとっても脅威に映るようになり、細川氏が山科本願寺を焼き討ちします。これによって廃墟になった山科本願寺に変わる拠点として時の法主本願寺蓮如が選んだのが今の大阪城のある場所という訳です。
こちらに移ってからも、織田信長と対立を深める本願寺は遂に織田信長と決戦。各地での戦の末、覇王信長と和議を結ぶに至ります。結局織田信長は本願寺に勝ててはいないんです。
それは、各地に居た本願寺信徒が暴れ回ったとか、諸大名で本願寺側に付いた人が強かったとか色々要因はありますが、この大阪城の立地としての堅牢さもしばしば取り上げられ、大阪城建設自体は豊臣秀吉によるものだったものの、織田信長もその堅牢さから拠点を築こうとしていたほどやったとか。
その堅牢さに加えてこの地自体がパワースポットやったからというのも勝因の一つとして語られています。
豊国神社が大阪有数のパワースポットとされるのは、ご祭神が強力なのと、立地自体にも恵まれているからというのもあるようです。公園内を散策してみると、ここが本願寺蓮如にとっても所縁ある場所だったことを窺い知ることが出来ます。
アクセス
- 住 所:〒540-0002 大阪府大阪市中央区大阪城2−1
- 駐車場:あり(有料)
大阪城公園内。駐車場は公園を囲むように数か所ありますが、梅・桜の季節など特に満車はざらなので、電車推奨。地下鉄、JRともアクセス良好。
まとめ
今回はこれで以上です。
この大阪豊国神社は、大阪のパワースポットを10個あげてと言われれば必ずランクインしてくるくらいメジャーな場所として知られています。
また、大阪城は信長包囲網を巡る上でも、秀吉太平記の象徴としても、幸村の雄姿を窺い知るにしても外せないスポット、中は博物館になっていてこれらの歴史は思う存分堪能できるスポットになっていますので、ぜひこの二つはワンセットで。