今回は和泉市にある信太森葛葉稲荷神社(しのだのもりくずのはいなりじんじゃ)のご紹介です。
名前なが?!
第一印象はこれやったんですが、正式名:信太森神社、通称:葛葉稲荷なんだとか。
何気ない神社のようですが、この『葛葉(くずのは)』というのは葛葉姫といい、阿倍保名という人物(伝説上の人とされてるそうですが)との悲恋物語が語り継がれているとともに、阿倍晴明出生のお話にも触れることが出来るという、密かにすごい神社やったりします。
では、今回はそんな悲恋物語まつわる信太森葛葉稲荷神社に一礼。
本殿まで
大阪府は国道26号線この辺りは海沿いの高石市、泉大津市に隣接する大阪の下町、静かな街中に囲まれた静かな神社です。
鳥居をくぐると、稲荷神社らしく、朱の鳥居の連続。この連続する朱の鳥居をくぐる時に別の空間に通じていそうな感覚が、個人的にとても好きです。あまり続きすぎると酔うんですが。
鳥居群を抜ければご本殿に到着。稲荷神社だけあって、お狐さんは中々の迫力。
ご神紋は『裏見の葛の葉(うらみのくずのは)』、形も名前もちょっと独特な感じがします。『裏見=恨み』かと思ったんですが、どうも三枚の葛の葉のうち一枚が裏を向いているからのようです。
御由緒・ご祭神・御朱印
御由緒
この神社のご創建は708年、ここは創建そのものより神社にまつわる伝説が惹かれます。
昔、大阪阿倍野に阿倍保名という若者がいました。家の再興を祈念しこの神社に日々お参りをしていたところ、一匹の白狐と出会います、狩人に追い詰められて助けを求めていました。保名は狐を助けようと狩人と争いになり、気を失ってしまいます。
気が付くと、そこには見目麗しい女性がいて、介抱されていました、名を葛の葉といい、その場は別れたものの、再び保名を訪ねてきた葛の葉と保名はやがて夫婦となり、子供が生まれました。しばしの幸せな日が続きますが、子供が5つの時、葛の葉は神通力を失い狐に戻ってしまいます。正体がばれた葛の葉は歌を残して去ってしまいます。
恋しくは たづねてきてみよ 和泉なる 信太の森の うらみくずの葉
夫と子供に宛てたものです。母を慕って泣く子を背にした保名は
妻の名を呼びながら信太の森に来てみると、以前は見えなかった
葛の葉っぱが社面一面に群がり茂っていました。
そしてそれらの葛の葉が夫と我が子の声に応えるように
葉をそよかせ泣くがごとく、葉のうらを見せてざわめいていました。
何とももの悲しいお話で、物語に登場する子供が後の阿倍晴明、後節の蘆屋道満との術比べに勝つなど一連のお話を古浄瑠璃『信田妻』と言います。
ご祭神
この神社のご祭神は宇迦御魂神、大己貴神、大宮姫神、素戔嗚神、猿田彦命、若宮葛乃葉姫。
御朱印
御朱印です。不思議な狐の紋様が印象的。
この神社の授与品です。変わり種としては、葛餅が頂けます。
境内散策
良縁・学徳の楠木
神社の中心ご神木の楠木です、樹齢二千年と言われる巨木。
枝ぶりが見事で四方に広がる様から千枝(知恵)の楠、また根元から二本に分かれている事から夫婦楠とも呼ばれ、良縁祈願、学徳成就のご利益があります。
姿見の井戸
葛の葉姫が化現した時に、鏡の代わりにした姿見の井戸。葛の葉姫が無事この森に帰り着いた事から交通安全のご利益があるとされています。
子安石
安倍晴明遥拝の石、子安石です。子授け、安産のご利益があるとされます。
アクセス
- 住 所:〒594-0081 大阪府和泉市葛の葉町1丁目11−47
- 駐車場:あり
電車の場合:JR阪和線北信太駅徒歩5分。
車の場合 :国道26号線(第二阪和国道)葛の葉町交差点を南へ。
駐車場は神社前に数台あり。
まとめ
今回はこれで以上です。
この神社はひっそりとして静かな落ち着ける神社なので、ぶらっとドライブがてら立ち寄るのに最適です。葛の葉姫の伝説と阿部清明出生語りの上ではこの神社は外せなく、また子授け・安産、交通安全、良縁・学徳とご利益も色々と期待が持てます。
堺の古墳群見学の折にでも一度立ち寄るのもいいかもしれません。