今回は城崎温泉旅館『白山』のご紹介です。
城崎温泉、それは近畿でも指折りの温泉地としても有名ですが、同時に有数の蟹の名産地としても名高い場所です。
飯よし風呂よし景色よしと正に言う事なしの城崎温泉旅館の一つ、今回は『白山』にお邪魔してきました。
城崎温泉概要
兵庫県北部にある近畿を代表する温泉地の一つです。平安時代には既に人々に知られていたとされ、実に1300年もの歴史を持つと言われています。
7つの代表する外湯(銭湯)を主体とする湯めぐりが一番のウリで、観光に訪れた人は浴衣姿で外湯を順繰りに巡っていく『外湯巡り』を皆一様に楽しんでいます。
今回僕は乳幼児連れやったので、写真撮りに少し夜道を巡ってみただけですが、外湯巡りはやはり皆楽しそうでした。特に冬、一見寒そうに見えますが、寒い中冷え切った体を湯舟に横たえて温める、それは何より気持ちのいいものなのかもしれません。
また、お風呂に入れなくても、城崎温泉街はとても良い雰囲気の街並みが広がります。
一番しっくりくる表現としては『大正浪漫』。
柳が首部を垂れる間に流れる川面と、そこに淡く映る灯りと、レトロな橋と。
とても絵になる場所が多数ある為、散歩だけでも飽きません。
外湯巡りは個別に支払いもできそうですが、外湯巡り券と言うものがあって、大人1,200円、子供300円で購入が可能な為、こちらを使っている人が殆どのようです。
これは旅館によっては、宿泊プランにセットになっているものもあります。
旅館白山
今回宿泊先に選んだのは城崎温泉街の少し外れに位置する温泉旅館『白山』です。
玄関から広がるロビーは大きく立派な旅館というよりも家庭的な雰囲気の漂うお宿で、和室17部屋と、一日の受け入れ組数が限られているので、がやがやした宿泊先があまり好きじゃない方好みのお宿です。
お部屋
お部屋は畳敷きの和室。
ベッドのホテルも嫌いではないですが、畳の香りを感じながらその場に座れる、寝転がれる、ころころできる
子供か?!
やはり観光メインやと部屋は帰ってきて風呂入って寝るだけとはいえ、その短い時間にどれだけくつろげるかって地味ですが、重要に見えてきたりします。
夕食
冬の城崎と言えば、やはり蟹、そして日本海の海の幸です。
船盛に始まり
蟹の陶板焼きに蟹みそ甲羅焼き。部屋と蟹が一体化したかのような小気味よい香りが鼻孔をくすぐります。蟹も身がぎっしり詰まっていて、食べ応えは十分。
一杯目はやはりこれでしょう。温泉で程よく火照った体にはビールです。
蟹刺し。つやっつやのプルプル、それに新鮮なだけあって凄く蟹が甘いんです。
刺身でそのまま食べるも良し、蟹すきの鍋でしゃぶしゃぶっと軽く湯通ししてもまた別の味わいがあってよし。
蟹天。ここらに来ると美味しいものを連続で食べ過ぎて感動が薄れてきます。それほどに蟹フルコースは満足度の高い料理と言えます。
勿論衣はサクサク、蟹の旨味は1mmも逃げることなく中に詰まっていて、噛むほどに旨味が口の中に拡がる至福の一口です。
ここらで2杯目、香住鶴というこの地方の地酒。蟹の強い味にも負けないしっかりと味を感じる事の出来るお酒です。
蟹すき。蟹を腹いっぱい食べるならやはりこれでしょう。食べる間約30分あるんですが、一様に無言です。
蟹とひたすらに格闘しつつ、食べ、ほじり、また食べるの繰り返し。勿論、〆には雑炊が付いてきます。
デザートはご当地のプリン。濃厚な牛乳の味がこだわりを感じさせます。
城崎は北は海ですが、周りは山、正に山海の幸両取りが可能な地域だからこそできる饗宴ですね。
これで一人当たりの蟹の割当ては約2杯なんだそうです。ずっと食べていたい気がする至福の時間は約1.5時間続きます。生産地に近い産品に間違いはありません。
お風呂
お泊りのもう一つの楽しみ、お風呂。ここの、というか聞いた話では城崎の旅館のお風呂システムは少し変わっているようです。
まず、ここのお風呂は5つも用意されています。内湯、露天と様々、姉妹館内の風呂も共用していて、それぞれが全て貸し切りに対応。
電気がついている場所が今空いている風呂という事で貸し切りの為、男湯も女湯もありません。風呂には全部内鍵が付いていて、そのカギを締めるとランプが消灯、使用中と外部に示すシステムです。
それぞれに意匠を凝らした素敵な浴場(全部は入れなかったけど)ですが一様に貸切風呂サイズで、大浴場というものがありません。
有名な温泉地なのに何だか物足りない、そう思う方もいるかもしれませんが、これはどうやら城崎温泉の旅館全体が似たり寄ったり同じ状況で、その理由はこの界隈に敷かれたルールによるもののようです。
城崎温泉では、その温泉資源を有効かつ平等に活用する為、湧出した複数の源泉の湯を集中管理するタンクを設け、混合し枝管から各施設に送る事で新鮮な温泉を利用できるシステムを採用しているんだそうです。その為、特定の施設だけが大きな湯量を必要とする大浴場を設ける事がシステム上難しい事から小さい目の浴場を複数設けているという事でした。
また、この旅館に関しては特に早い者勝ちルールで5つの浴場を最大17組で取り合いをする事になります。その為早い時間は5つ全ての浴場が埋まっている事もしばしば。
ここのルールというか城崎の楽しみ方としては、外湯巡りで複数の湯殿を少しずつ楽しみつつ、旅館の温泉を併用する、というのが賢い立ち回り方のようです。
朝食
普段期待していないけど、旅行時だけは妙に心躍る旅館の朝食。旅慣れた方に言わせれば、二食付きの宿において夕食が美味しいのは当たり前なんやとか。
派手な演出や食材はなかったものの、一個一個の味に丁寧さを感じられる美味しい朝食でした。
アクセス
- 住 所:〒669-6103 兵庫県豊岡市城崎町今津548−1
電車の場合:JR城崎温泉駅徒歩6分。
車の場合 :県道548号線をひたすら北上。
まとめ
今回はこれで以上です。
城崎旅行は初めてやったんですが、流石と言うべきか蟹も温泉も観光もかなり楽しめました。行った事のない方特に城崎はかなりお勧めですよ。