今回は滋賀にある多賀大社のご紹介です。
『多賀』というと、名神高速を使う方ならよくご存じ『多賀SA』のあの多賀です。
上下別に用意された広大な施設群はSAというより一つのショッピングモールのように感じる施設ですが、今回の多賀大社はそんな多賀にある滋賀県随一の神社です。
では、今回は『お多賀さん』こと多賀大社に一礼。
社概要
ご創建
この神社は『お多賀さん』の愛称で知られる滋賀県(犬上郡)多賀町にある大きなお社。ご創建は定かではないものの、少なくとも927年には文献にこの神社を示す記述がある事からこれより以前に建てられたものとされています。
ご祭神・ご利益
この神社のご祭神は2柱。
伊邪那岐命(いざなぎのみこと)
伊邪那美命(いざなみのみこと)
言わずと知れた日本国生みの神様で、伊勢神宮のご祭神、天照大神はこの伊邪那岐命の左眼から生まれた神様といわれていることから『お伊勢参らばお多賀に参れ』など、お伊勢さんの伊勢神宮とワンセットでお参りするいわば昔のブームのようなものになり、お多賀さん参りは人々の間で信仰が集まりました。滋賀の東海道沿いという交通の便の良さもあって、今も多くの参拝客が訪れる神社です。
ご利益は種々ありますが、延命長寿が一番有名。それは、ここの境内にある長寿石にもまつわるお話からもご利益の期待できる神社です。
境内散策
境内には大社と言うだけあって、本社の他12の摂社・末社があります。
本殿・ご拝殿
正面鳥居を抜けると広々とした前庭、そして最奥に、拝殿、そしてご本殿があります。
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地元のみならず遠方からの信仰も集める神社で、御祈祷や神前結婚式などが執り行われているところに出くわすこともしばしば。
太閤橋
神社鳥居をくぐればまず正面に見えるのが、見事なアーチを描く太鼓橋。それが『太閤橋』です。多賀大社を厚く信仰していた一人に豊臣秀吉がいます。秀吉は死期の近いその母の延命を祈願し、一万石を寄進したと言われています。その禄を以て築かれたのがこの橋という事から『太閤橋』と呼ばれるようになったんだとか。
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大人の背程の反りがある橋は登るのも一苦労、でも子供にとっては格好のチャレンジ材料らしく、参拝する子供は皆頑張って登る姿はほほえましいものです。
寿命石
拝殿向かって右にあるのが、この寿命石です。昔この神社に延命を祈願した重源と言う人がそのご加護を頂けた後、この石に座り込んで亡くなったというお話から、延命長寿祈願の石として、多くの人の信仰を集めている石です。
石の周りに見える白石には祈願に来た人達の、その延命長寿の願いが刻まれています。
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その昔俊条坊重源と言う人が平重衡によって焼討にあった奈良、東大寺もその例に漏れず焼け落ちてしまいます。重源は後白河上皇にその再建を進言、その結果重源は東大寺勧進職の要職に任ぜられます。ただ、この時重源は齢61、何年かかるかわからない再建を全うできる年齢ではなかった事もあり着工時に伊勢神宮へ17日間参篭します。すると夢に現れた天照大御神が『再建成就の為に寿命を延ばしたいなら多賀神(多賀大社)に祈願しなさい』とお告げを受けます。そのお告げ通り重源が多賀大社へ祈願すると『莚』と言う字型に虫食いの入った柏の葉が落ちてきたんだとか。この莚と言う字は延(命)+廿(二十)という字であるとして、20年間の延命のご加護が頂けたと奮い立った重源はその後、本当に20年の歳月を掛けて見事東大寺の再建を成し遂げます。その後、その祈願成就の御礼の為多賀大社を訪れた重源は境内の石に座り込むようにして亡くなったとされています。
お多賀杓子
この神社といえば杓子(しゃくし)なんだそうです、要はしゃもじの事です。絵馬も杓子型なら、杓子とは対となる長寿箸も取り扱いがあります。
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これは、第44代元正天皇が病に伏した際、この神社で強飯(おこわのこと)を炊き、しでの木で作った杓子を献上したところたちまち治ったというお話に因むものです。
御朱印
御朱印は神社左手の社務所で頂けます。大社のものと、『むすびの印』という二個一対の縁結び祈願の御朱印も頂けます。女性に大人気のようで、皆さんこれを頂きに結構な列を成していらっしゃいました。
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また、朱の鮮やかな本殿をあしらった御朱印帳や、御朱印帳袋も頂けます。
摂社・末社
この神社には大小合わせて12の摂社・末社がありますが、今回はその一部を掲載。
金咲稲荷神社
本殿横辺りにある金咲稲荷神社。
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日向神社
境内西の端にあるのが、本社と見間違うほどに立派な日向神社。
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絵馬通り
この神社は昔から『お多賀さん』の愛称で親しまれ多くの参拝客を集めてきました。その為、表参道である絵馬通りにはお土産屋さんなどの商店が立ち並びます。これが祭事の時期などは更に露店が所せましと軒を連ね、参道は活気に満ち溢れます。
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アクセス
- 住 所:〒522-0341 滋賀県犬上郡多賀町多賀604
- 駐車場:あり。
車の場合:国道307号線滋賀県犬上郡内『多賀交差点』北西
まとめ
今回はこれで以上です。
滋賀県はどうしても湖に目がいきがちですが、東西南北その湖畔の眺望は抜群、秋の紅葉も有名ですが、大津から岐阜の県境まで山を横目に走る綺麗な道路はドライブにも最適、また春から夏にかけての新緑が目にも優しく癒されます。
緑に囲まれたこの神社は空気も澄んでいて綺麗、心も体も癒されて延命長寿のご利益が頂ける神社なので、春から夏・勿論秋もドライブがてら立ち寄るのに最適な神社です。