今回は百舌鳥古市古墳群その2『御廊山古墳』のご紹介です。
堺市にある前方後円墳でその大きさは墳丘長(ざっくり言うと前方後円墳の縦の長さ)203m、幅100mちょい(後円部113m、前方部136m)と、大体陸上トラックを縦に二個繋げた位で、かなり近くで見ると大きい古墳です。では、今回はそんな御廊山古墳に一礼。
古墳概要
この古墳は大阪府堺市にあります。墳丘長203mと近くで見ると結構な大きさを誇る古墳なんですが、順位でいえば全国35位という微妙なポジションだったりします。方墳部を西に向けているんですが、鍵穴型がちょっと崩れた形で残っているのが少し愛嬌を感じます。
製造時期は五世紀後半、埋葬者ははっきりとしていないものの、宮内庁によると『百舌鳥陵墓参考地(被葬候補: 応神天皇)』とされています。
『陵墓参考地』というのは、被葬者ははっきりしないものの古墳が築かれた年代や埋葬品などから『ここは多分(皇族の)古墳ですね』と定められた場所を指します☆
第15代応神天皇は第一候補として定められている『応神天皇陵』が東に行った先にありますので、ここは第2候補とされているようです。
一周してみる
今回は古墳東側からアプローチ、ちょうど後円墳のつるんとした頭部分から拝見する事になります。残念ながら堀を渡る手段がないので、よく見ることが出来ませんが、古墳には何やら立て札が建てられています。
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ここから北へ。北側は綺麗な遊歩道が整備されていて、お散歩するおじいちゃんと子供とか、サイクリングを楽しむお兄ちゃんとかと度々すれ違います。
北側の古墳のくびれ部分。このお堀ぱっと見でわかる通りあんまり綺麗ではありません。これはこれで、古墳と不思議にマッチしていい味に見えたりもするんですが。
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ただ、汚染されているとかそういう汚れではなく滞留によるもの。生き物によってはここはパラダイスの様で元気はつらつ。特にこの大群の鯉なんかもう元気過ぎてキモい圧巻です。
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本音漏れてるで?
多分地元の方が餌をあげてるんでしょう、近くを通っただけでわらわらと寄ってくるんでちょっとびっくりしただけです。
遊歩道はこれも地元の方によるものでしょうか、沿道は手入れされた花が彩りを加えとても綺麗。
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西側の方墳部。お堀の広さがよく分かるアングルです。
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方墳に面する形で建てられたお社『永尾大神』です。
古墳南側、唯一お堀と住宅街が隣接していて沿道が歩けない場所です。この見えない部分に『造り出し』と言う部分があります。
前方後円墳でよくみられる特徴らしく、ぱっと見では鍵穴型を作ろうとして削り忘れたでっぱりくらいにしか見えません。
もうちょっと考えてみようか☆
学者の方々はもう少し深く掘り下げ、色んな説が提唱されているようです。
宮車の車輪模倣説、壺の耳環模倣説、殉死者のための埋葬場説など様々。今、一番支持されている説としては祭祀場説のようです。
いずれにせよ確かな文献などもないので、どの説も決定づけられるに至っていないようですが、こういう謎に思いを巡らせることが出来るのも古墳はじめ史跡の魅力の一つと言えます。
アクセス
- 住 所:〒591-8036 大阪府堺市北区百舌鳥本町1丁20−1
- 駐車場:なし。
大阪府堺市内阪和線『百舌鳥』駅徒歩6分。駐車場特になし。
まとめ
今回はこれで以上です。
一周ゆっくりと見て回りながらで1時間弱。『一周見て回るぜ!』と言う散策には丁度よい大きさと言えます。一方で、この古墳の周りには大型のものだけで他に4つ、その中には日本最大の仁徳天皇陵古墳(最近他の言い方をするそうですが、なじみがないのでこちらの言い方をします。)もあるので、いっぺんに巡るかゆっくりと一個ずつ見て回るか迷いどころです。