今回ご紹介は京都の蹴上にある神社『日向大神宮』のご紹介です。
蹴上と言えば、かつての水運の中心やった蹴上インクラインから始まり、京都市動物園、南禅寺、永観堂、平安神宮と京都の文化関係が集中するエリアですが、この神社は反対側の山裾にあり、終始登り道が続きます。
別名『京都のお伊勢さん』。呼び名だけでもこの神社の凄さが分かろうというものですが、この神社、伊勢神宮との共通点も多く(外宮・内宮の二社がある、内宮のご祭神が天照大神など)パワースポットとしては京都一との呼び声も高い神社でもあります。
では、どんなところか、そのパワーは?日向大神宮に一礼。
神社概要
御由緒
この神社のご創建は第23代顕宗天皇の時代までさかのぼります。西暦でいうと約450年~ということなので、奈良時代と言ったところでしょうか。日向の高千穂の峯の神蹟を移して創建したのが始まりとされています。
天智天皇の頃に圭田を寄進され、日御山という名前を給い、清和天皇に日向宮の勅額、醍醐天皇の頃に官弊社列されるようになったという事で、昔から皇族からの厚い信仰と保護を受けていたことが伺えます。
ご祭神
伊勢神宮と同様、この神社にも境内に外宮・内宮が鎮座し、御祭神はそれぞれ
【外 宮】
・天津彦火瓊々杵尊(アマツヒコホニニギノミコト)
・天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)
【内 宮】
天照大御神(アマテラスオオミカミ)
多紀理毘売命(タギリヒメノミコト)
市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト)
多岐都比売命(タギツヒメノミコト)
をお祀りしています。
この内宮の天照大神は伊勢神宮内宮と同じご祭神をお祀りしている事も『京都のお伊勢さん』と呼ばれる理由の一つです。
ご利益
この神社のご利益は一言でいえば『何でもあり』です。
ちゃんとやれ!!
内宮の天照大神は国土安泰、開運、勝運、福徳とされていますが、この神社にはその他にも、大小含め17もの摂社が鎮座しています。
また、この神社独特の願掛けに『かわらけ』というものがあります。かわらけは絵馬と同様自身の名前と願い事を書いて奉納するんですが、その奉納する場所を選択できるという訳です。例えば、金運なら恵比須神、縁結びなら福土神社といった具合です。
いわばご祈願のセルフ方式といったところでしょうか、専門分野ばかり祈願されるので神様も聞き届けやすいのかもしれません。
境内散策
この神社の境内図です。この神社には本殿のほか、大小色んな摂社があり、パワースポットの一つとされる天岩戸があり、伊勢神宮の遥拝所がありと見どころはいっぱい。
この神社の入口は京都府京都市の三条通沿い、大文字山の南東山裾にあります。
北側には蹴上インクラインが拡がり、更にその奥には南禅寺と京都随一の景観を誇るこのエリアですが、今回は山中に向けて進む事になります。
あとはひたすらまっすぐ進めば本殿前鳥居に到着。この時点で結構道路からは離れ、木々に囲まれていて、空気は綺麗に澄み、静かな空間が広がります。
グーグルマップではわからないですが、参道全部登りです。歩きやすい靴で行きましょうね☆
本殿・拝殿
入口を抜けるとまず正面にはご拝殿。
その奥にあるのが外宮本殿。
濁った池底とは裏腹に水は綺麗な勾玉池とその橋をぬけると
内宮本殿に到着します。
周囲をご神山の日御山、神明山に囲まれたこの神社は秋は勿論、境内にヒノキ・杉、桜・つつじなども植えられていて、四季折々楽しみがあるので、お参りする季節を選部必要がないのもこの神社の良い所です。
天岩戸
天岩戸と言うのは、神話で天照大御神がお隠れになったとされる穴の開いた大岩です。
中は大人一人が少し屈んで通れる位で、L字型の通路は10秒もあれば通過できる洞窟と言うよりほんとに岩穴と言うのが正しい気がします。
ですが、中は真っ暗。少し怖いと感じる人もいるかもしれないこの穴の中には祠が一つ、戸隠(トガクシ)神社があります。
御祭神は、天手力男命(アメノタヂカラオノミコト)、天照大御神がお隠れになった岩の扉を開いた力持ちの神様とされ、その御力を以て、災い除け、力の神、スポーツの神様としても信仰されている神様でもあります。
天岩戸は内宮本殿に向かう途中脇にそれた山道を登った先にあります。
伊勢神宮遥拝所
この神社のパワースポットとしてはもう一つ、伊勢神宮遥拝所が挙げられます。
京都の街を一望できるビュースポットとしても、伊勢神宮の御神徳を授かれるパワースポットとしても二重の意味で、ここを訪れた際は押さえておきたい場所です。
道順としては、シンプル。入口の鳥居を素通りして、山道に向かうのみ。
徒歩10分と案内板が出ていますが、大人の足ならもう少し速く到着できると思います。ただ、ずっと足場のあまりよくない道が続く中の10分なので、想定した10分よりしんどい10分だろうと考えて下さい。
昨夏の台風によって、木々がなぎ倒されここは長く立ち入り禁止になっていたようですが、最近ようやく工事の手も入り、通行止めは解除されたようです。ただし、切り倒された丸太の撤去等はまだらしく、生々しい状況はそのままでした。
からわけ
文中でも少し紹介した通り、各神社の絵馬に代わる願掛けアイテムがかわらけ(祈願土器)です。素焼きの白い土器で、『かわらけ投げ』などでもおなじみの小さな皿の様なやつです。(便宜上このページ内では『かわらけ』で統一して掲載しています。)
まず大小に願掛けの効果の違いは出ないそうで、あくまで書きやすさで選んでくださいとの事。
お願い事の手順。
願掛けの手順は⇓。
①まず自分の願い事を土器にかき込みます。
笑いにすらならん中途半端な下手くそさやね♪
PCがあればそんなスキル全く必要ないと自負しております。
②自分の氏名、参拝日を記入。
③願掛けする神様の元へ奉納。
この神社には内宮・外宮の他にも境内いろんな場所に摂社が建てられています。
各人の願い事に合った神様を畏れながら選んで、お願い事をかなえてもらおうという画期的なシステムです。神様と一言に言ってもそのジャンルは様々。寿老人様は延命長寿の願い事には強くても金運上昇なら恵比須様の方が得意でしょ、をそのまま実現したお願い事方式です。参拝しつつ17数えるのも大変やったんで、ご利益の読み取れた場所だけご紹介します。
招福・縁結び
外宮から回れ右をした道の奥にある福土神社。ここと、商売繁盛の恵比寿神社に奉納されるのが殆どのようです。
商売繁盛・芸の上達
内宮手前向かって右にある恵比寿神社、天細女神社(あめのうずめじんじゃ)。
安産・交通安全
外宮横にある猿田彦神社・花祭神社。
スポーツ上達
天岩戸内にある戸隠神社。
子宝・諸芸上達
福土神社手前にある坂の上の多賀神社・春日神社。
福徳延寿
伊勢神宮遥拝所に上る石段手前にある厳嶋神社。
アクセス
- 住 所:〒607-8491 京都府京都市山科区日ノ岡一切経谷町29
- 駐車場:あり
電車の場合:京都市営地下鉄蹴上駅徒歩11分。
車の場合 :東山ドライブウェイ入口を逸れて北西へ。
道がかなり狭く離合困難、どころか車種によっては通行困難。お勧めしません。
まとめ
今回はこれで以上です。
日向大神宮はその成り立ちや歴史から京都のお伊勢さんとして親しまれ伊勢神宮の代参として多くの人がお参りされてきたようです。当時は山を切り開いた道路も舗装もされていない山道で、山道にはお茶屋なんかも繁盛し、今とは違った様相ですが賑わいを見せていたんだとか。
蹴上にはいろんな観光名所が目白押しですが、こちらは忘れないようにしてください。