今回は大阪にある『白鳥陵古墳』のご紹介です。
羽曳野市にある百舌鳥・古市古墳群の一つで、日本古代史のヒーロー『日本武尊(ヤマトタケル)』を被葬者とする古墳です。
では、今回はそんな白鳥陵古墳に一礼。
古墳概要
古墳紹介
この古墳があるのは大阪府羽曳野市にあります。白鳥陵は『しらとりのみささぎ』と読み、白鳥というのは日本武尊が死後『八尋白智鳥』という白い鳥となって飛び立ち、その後昇天した事に因み『白鳥陵古墳』と名付けられたと思料します。
日本武尊は能褒野で死去したとされていて、この白鳥は能褒野から大和琴弾原(奈良県の御所市)、そしてこの古墳がある河内古市へ飛び立ったとされていて、この三か所にはそれぞれ日本武尊の古墳があるんです☆
墳丘長200m、後円幅106m、前方幅165mの百舌鳥・古市古墳群の中で第7位、日本第36位、順位としてはそこそこ大きい位の古墳に当たります。
古墳の周りを巡る幅広い濠が特徴的でその幅は35mあり、古墳周りを巡ると
思ってたより広いな
そんな印象を受ける古墳です。
日本武尊命(倭建命)
他にも書き方はあるようですが、『ヤマトタケル』と読みます。
何をした人かは知らなくてもとりあえず名前だけは知ってる、そのくらい名の知れた人物じゃないでしょうか。第12代景行天皇の皇子で第14代の仲哀天皇の父に当たる方ですが、本人は天皇に即位していません。(13代は弟が即位)というのも行き違いで景行天皇と折り合いが悪くなってしまったからなんだとか。
大和武尊には兄大碓命がいたんですが、この兄さま、父の寵姫を奪ってしまいます。どっちもどっちですね。で、当然怒っただろう父は大和武尊に何かしら命令を下す訳ですが、ここでこの『何かしら』の命令に行き違いがあり、小碓命(日本武尊の幼名)は兄を捕まえ圧し潰し、手足をもいで、薦(藁のむしろのようなもの)に包んで投げ捨て死に追いやってしまいます。
どこをどうすればこの結果が生まれるのか
元の命令を見てみたいところです。愛人?を取られた父興奮なのか、日本武尊の耳がちょっとあれやったのか原因は不明ですが、この行き違いで父は強く懸念を抱きます。
あ、こいつやばくね?
一言でいうとこんな心境やった事でしょう。そこで自身から出来るだけ遠くに皇子を置こうと、まず九州の熊襲建(クマソタケル)兄弟という反抗勢力の征伐に向かわせます。まだ髪を結う子供だった小碓命は宴中だった熊襲建達の中へ潜り込み、見事兄弟を討伐。この時から名をヤマトタケルと改めるようになります。
この武功に驚いたのは父の景行天皇。凱旋したヤマトタケルをすぐさまお供一人つけて今度は東征を命じます、東方にも中央の目の届かない蛮族がいっぱいいたとの事で、これらの平定です。
無茶ばっか言いやがって
出発前に伊勢に訪れた際、日本武尊は嘆いたそうです、そりゃそうでしょう。この伊勢で授けられたのが、かの有名な草薙剣。八岐大蛇の尻尾から出てきたというあれです。
そんな絶望的な行軍を強いられた日本武尊ですが、それでも武勲に恵まれ各地の蝦夷(関東の蛮族を指します。)を平定して回る訳ですが、今でいう滋賀県米原の神様と対決した際、失神。後に正気を取り戻すものの、病に伏してしまいます。
弱った体で大和を目指すものの能褒野(三重県)で遂に倒れ、亡くなってしまうという戦いに明け暮れた生涯を閉じたという訳です。
日本武尊の伝承は古事記・日本書紀ともに記述がありますが、その解釈は全く違います。両方を読み、古事記の方がより生々しく、人間的(現実的)に感じられたため、今回はこちらを採用しました☆
周辺散策
こちらは古墳にしては珍しくスタート地点があります。古墳東側にある国道170号線から古墳に向かう参道の入口があります。
ここから住宅街を縫うように進むと東西に広がる古墳の北側に辿り着きます。この古墳の特徴は濠。広さもさることながら、水面に流れがあるようで溜まり水特有の汚さを全く感じない、一面緑に染まった川のように見えます。
古墳西側にある拝所と言うんでしょうか、正面部分。神社でいうところの御門や拝殿に当たる場所ですね。
南側から見た横目部分。一周してみたんですが、この古墳の周りは他にもまして周辺を住宅に囲まれていて、周囲を巡るのが難しいんです。
アクセス
- 住 所:〒583-0854 大阪府羽曳野市軽里3丁目
- 駐車場:なし
近鉄南大阪線・長野線『古市駅』徒歩7分。近隣駐車場が少ないので、駐車場利用の場合は予め当たりを付けておくほうが良いかと思います。
まとめ
今回はこれで以上です。
百舌鳥古市古墳群を電車で巡るなら恐らくこの古墳は一番最初か最後になろうかと思います。古墳群の中では南の端で、一日でいっぺんに色々巡ろうと考えている方には少し大変かもしれませんが、葬られているのは日本武尊。古墳好きな方は勿論、神社好きな方にも馴染みやすい場所なので、お近くを観光の際はぜひこちらもどうぞ。