今回は奈良公園にある『氷室神社』のご紹介です。
氷室というのは昔の冷蔵庫、もしくは氷の貯蔵庫のようなものですが、如何にも涼し気な名前の神社。
名前の通り近くを流れる川上流に氷室を設け、氷の神様をお祀りするという、あまり他では聞かない珍しい神社です。では、今回はそんな氷室神社に一礼。
神社概要
この神社のご創建は710年、勅命により春日山に鎮祀されました、そこで氷室の技術が都に伝えられ、平城氷室とも春日の氷室ともいわれていたそうですが、これが氷室神社の起源とされています。
毎年4月1日から9月30日まではこの神社から氷が献上され、これは約70年程続いたそうですが、平安京に遷都されてからはこの制度も廃止されます、奈良から京都まで氷運ぶわけにいかないですからね。で、そこから150年程経過した後、氷室の在った地から現在の場所へ移され、その際にご祭神2柱を合祀する事となります。
御祭神は3柱。
・闘鶏稲置大山主命(ツゲノイナギオオヤマヌシノミコト)
・大鷦鷯命(オオササギノミコト)
・額田大仲彦命(ヌカタノオオナカツヒコノミコト)
元々この地で氷室の技術を生活に用いていたのが闘鶏稲置大山主命でした。狩猟に出かけた際、『何だこれ!?』と氷室を発見し、朝廷に献上したのが額田大仲彦命、この時の朝廷が大鷦鷯命(仁徳天皇)と、生産からエンドユーザーまでの3者が皆ご祭神になっているという氷3神が祀られています。
ご利益は製氷販売業、冷蔵・冷凍業の守護神と言われています、日本最古の冷蔵技術を伝える神社ですしね。あと、氷上の戦いという事でフィギュアスケート選手のほか『氷室』繋がりから氷室京介ファンの参拝も多いようで、こんなに多種多様な信奉を集めている神社も珍しいです。
またこの神社に肖ってか、かき氷屋さんのパンフまで置いてありました。奈良県民のかき氷好きな県民性が垣間見える瞬間です。
多分それ勘違いやで☆
境内散策
境内は奈良公園の丁度中心辺りにあります、大宮通という奈良の南部に抜ける大き目の通りに面していて車はばっしばし通りますので、鳥居前で記念撮影とかは自殺行為です。鳥居を抜けると、緑が映える綺麗な参道が拡がるので、撮影はこちらの方で。
本殿・拝殿
鳥居を抜け、まっすぐ歩けば四脚門、そして拝殿、本殿へと続きます。
鏡池
門の手前に拡がるのが鏡池と言います。
華やかな桜とスイレンの拡がる落ち着いた水面の対比が見ていて心落ち着く場所で、池の周りには観光客などが腰を下ろし、水面を眺める姿が目立ちます。
御朱印
御朱印は、本殿手前の社務所にて頂けます。ここの御朱印は色々と変わっていて、まず御朱印代が倍かかります。反面この神社で朱印状は護符として扱う事から御朱印を書いてくれた後、火打石で祓ってくれたりもするという仕様です。
この神社では変わったおみくじを引くことが出来ます、その名も氷みくじ。水みくじの氷版と捉えて差し支えないでしょう。
アクセス
- 住 所:〒630-8212奈良県奈良市春日野町1-4
- 駐車場:なし
奈良公園内。近鉄奈良駅徒歩16分。
まとめ
今回はこれで以上です。
この神社はここに来る、と言うより奈良公園に来る中で巡るルートにここを組み込む、という位置づけになりそうです。その為、東大寺や春日大社辺りはだだっ広い境内にも拘らず行列ができているのに、こちらはひともまばらで結構穴場なスポットでもあります。氷室の歴史に触れると共に、奈良のかき氷のご紹介を頂くのもいいかもしれません。