今回は亀岡市にある稗田野神社のご紹介です。
お隣というより、ほぼ同居のような形で大石酒造さんに隣接する神社です。アクセスの良さに加えて、ガン封じの神社として名高く、酒蔵見学とワンセットで多くの参拝者が訪れています。では、今回は稗田野神社に一礼。
神社概要
この神社はとても古く約3000年前とされています。この地に土着したこの地域の古い古い祖先の方々が田畑を拓き、供物を神様に捧げてお祈りしたのが元々の興りなんだとか。信仰としては氏神様に近い存在やったんかもしれません。
その後、709年になって時の大和朝廷が『ここにちゃんと社殿を建てなさい』とこの地を治めていた丹波守大神朝臣狛磨に命じ、お社が構えられるようになったという事。
御祭神は三柱。
保食命(うけもちのみこと)
大山祇命(おおやまずみのみこと)
野椎命 (のづちのみこと)
保食命は食の女神様、大山祇命は山の神様、野椎命は田畑の神様と食べ物の神様オンパレードで、ご利益は五穀豊穣、商売繁盛、無病息災、延命長寿、智恵・美人と癌封治。
特に癌封治については、癌を吸収してしまうというあらたかな木があって、厚い信仰を集めています。
御祭神の保食命
日本神話に登場するメジャーな神様なので、少しご紹介。
保食命は葦原中つ国に居たとされる神様です。天照大御神は弟神(性別はっきりしない)月夜見尊に『ちょっとどんな奴か行って来いよ』という、現代でもままある兄姉が、立場を利用して弟妹を小間使いにするあれで、月夜見尊は保食命に会いに行くことになります。保食命は折角訪ねてくれた月夜見をお・も・て・な・し、する為に、陸を向いて口から米飯を吐き出し、海を向いて口から魚を吐き出し、山を向いて口から獣を吐き出しそれでおもてなししようとしました。
何すんねん?!
月夜見は激怒、まあびっくりはしますよね。ただ、月夜見はびっくりで留まらず、保食命を斬ってしまいます。忘年会シーズンの難波など絶対に歩いてほしくない神様です。
神様と道頓堀の酔っぱを一緒にするな(゚Д゚)
ただ、これには天照大御神も激怒、当然ですよね。吐しゃ物でおもてなししようとした保食神のやり方気に食わないだけで斬って帰ってきたんですから。
不適切な言葉が混ざっていますよ?
もう月夜見には会いたくないと言い放ちます。これによって、太陽神たる天照と月の神月夜見が別れた事によりこの世に昼と夜が出来たんだそうです。
天照大御神は改めて(様子を見に?)保食神の元へ天熊人(あめのくまひと)を遣わしたんですが、その時には保食神は死んでいました。すると、その頭から牛馬、額から粟、眉から蚕、目から稗、腹から稲、陰部から麦・大豆・小豆が生まれます。これらを天熊人はちゃっかりと持ち帰ると天照大御神も大喜び。以来、これらを民の生きる食物の種としたんだそうです。
つまり、いま僕たちの食べる食べ物の恵は保食神のお陰という訳ですね。
弟に斬り殺され、姉に死体弄られた保食神にとっては気の毒極まりないお話ですが。
これが、保食神が食の女神様とされる由縁のお話です。
境内散策
ご本殿・拝殿
神社東側の鳥居をくぐった奥にあるのがこの神社のご拝殿、そしてご本殿です。
癌封治癒の木
境内南側にあるこの木、癌封治癒の木といって、この木の瘤を撫でると癌を吸い取ってくれるんだとか。たくさんの人に撫でられたんでしょう、瘤はつるつる。
輪くぐり
本殿に通じる道の左側は石造りのくぐり輪が、神々の宿る『石の環』というそうです。
環の中央に立ち、一心に願い事を念じ、環の360度から神々の御神徳を頂き、ご利益を授かる環なんだそうです。
一攫千金。聞き届けて頂けることを切に願います。
必勝気力石
本殿右側にあるのがこの巨石。『必勝気力石』といいます。
両手を一心に念じる事で、願いを叶えてくれるんじゃなく、願いを叶える気力を授けてくれるという石です。目標達成って自分の努力が大事、継続して努力するには気力も必要ですから。
意志弱いもんね、色んなこと挫折するし☆
自分では勇気ある撤退と呼んでいるんですが。
えびす神社
境内北側に位置する摂社『えびす神社』。
幸福奇魂の石(さきみたまくしみたまのいし)
えびす神社の隣にあるのが、この大きなつるんとした玉『幸福奇魂』の石です。
この丸い石、ただの綺麗なつるつるに見えますが、靖国神社の大鳥居、大阪城の石垣などと兄弟なんだとか。頭部の宝珠は同じご祭神をお祀りする伊勢神宮外宮の欄干の形を模しているそうです。
撫でたり、頬ずりしたり、接吻したりと思い思いの方法で祈念して下さいとの事。
御朱印
御朱印は本殿向かい側の社務所で頂けます、書置きのみ。
アクセス
- 住 所:〒621-0033 京都府亀岡市稗田野町佐伯垣内亦1
- 駐車場:あり
京都縦貫道亀岡IC西へ。
まとめ
今回はこれで以上です。
この神社は見所が多く、また一つ一つが非常にユニーク、ご参拝が楽しいと感じられる場所です。暖かい季節に癌封じ、酒蔵巡り、のどかな亀岡観光と言うのはいかがでしょう。