今回は最近京都市内で人気急上昇中のお寺『金剛寺八坂庚申堂(こんごうじやさかこうしんどう)』のご紹介です。
京都市内観光の丁度真ん中で、ランドマークにもなる『八坂の塔』のふもと。
周りには八坂神社に清水寺と京都の目玉観光スポットが目白押し、そんな中にあって最近お参りする人が急増しているというお寺です。
では、今回は金剛寺さんに一礼。
寺院概要
このお寺は正式名を大黒山金剛寺庚申堂と言います。
日本三庚申
『庚申』というのは、庚申信仰と言って仏教のみに留まらず、密教、新道、修験道など様々な信仰や慣習・習俗などが合わさった信仰で、この八坂庚申堂は大阪四天王寺庚申堂、東京入谷庚申堂(現存せず)と合わせて日本三庚申とされる寺院です。
庚申というのは十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)の庚(かのえ)と、干支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の申を合わせた言葉で、この十干と干支を組み合わせた干支という合計60の要素を示す記号の様なものです。昔はこれで方角や、暦、時間などを現したんだとか☆
三尸の虫という人間の体の中にいる虫がいるそうです。庚申の日はその虫が外に抜け出して天帝に告げ口に行ってしまいます。身に覚えのある人には賜ったもんではありません。昔の人はその告げ口をされまいと徹夜したんだとか。よほど告げ口されては困る事があったんでしょうか。
八坂庚申堂のご本尊の青面金剛はこの三尸の虫を食べてしまうんだそうです。告げ口を恐れていた人々にとっては告げ口の元を絶ってくれる救世主に思えた事でしょう、いつの日か庚申の日(庚申待ち)には青面金剛を拝むという信仰が拡がりました。
今はそんな気持ち悪い寄生虫の話はさておき、一晩一心に願い続ければ如何なる願いも叶うという、いい意味での青面金剛さんに祈りを捧げる習慣があるそうです。
現在この八坂庚申堂では庚申ご縁日にご参拝すると厄除けのこんにゃくのご接待が頂けるそうです。このこんにゃくは一人3個、北を向いて無言で食べれば無病息災が約束されるそうですよ☆
御由緒
ご本尊の青面金剛は飛鳥時代、中国より渡来した秦氏によってお祀りされるようになったのが始まりとされています。その後、平安時代に入り当代一の験者『浄蔵貴所』がこの地にお寺を建立しました。現在の本堂は1679年に再建されたものだそうです。
境内散策
御本堂ほか
このお寺さんの境内はそんなに広いわけではありません、そんな中に大勢の参拝客がしきりにシャッターを切っています。理由はこれ。
くくり猿というこのお寺さんでお願い事を祈願するアイテムなんですが、この色とりどりの『丸いやつ』は境内の至る所に結ばれていて、それぞれ祈願した人の願いが託されている訳ですが、境内各所に結ばれたくくり猿さんがカラフルでフォトジェニックだという事でインスタグラムに掲載する人が急増、結果その話題が話題を呼び、今ではすっかり京都でナンバー1を争うインスタ映えスポットに名乗り出たという訳です。
くくり猿
このお寺さんの境内をカラフルに彩っているのはこの一個一個のくくり猿です。
これは手足を括られて動けない猿の姿を模しているそうです。猿(申)は人間に近い動物と言われ、欲のままに行動する象徴としてその欲のままに行動しないように手足を縛られているのがくくり猿という訳です。このお猿さんに願い事を託し、欲望を縛る事で願い事が叶うとされています、つまりこの境内に溢れるカラフルなくくり猿は参拝者の祈願の集合体、欲を一つ我慢する事で自分の願い事を祈願するお猿さん、それがこのくくり猿という訳です。
人ただ単にお願い事を祈願するのではなく、何か一つ我慢する事でお願い事は叶いますよ、というのが仏教らしい教えに感じます☆
御朱印
御朱印です。日本三庚申の文字の他、大黒天もお祀りしている所縁からかトレードマークの小づちの印も見られます。
アクセス
- 住 所:〒605-0828 京都府京都市東山区金園町390
- 駐車場:なし
京都市東山区八坂通沿い。
まとめ
今回はこれで以上です。
この界隈は八坂神社~清水寺へ抜ける二寧坂・産寧坂に向かう途中という事もあって、京都観光の上では非常にアクセスのよい場所でもあります。
フォトジェニックな境内と庚申信仰の中でのご祈願と、きっと京都観光を彩る良い思い出作りに一役買ってくれることと思います。