今回は美味しくて不思議な加賀野菜『金時草』のご紹介です。
金時草または式部草、水前寺菜など色んな名前のある野菜で、お浸しや野菜炒め、天ぷらなんかにして食べられます。
割と流通が一部地域で滞留するものらしく京都では中々お目にかかれない野菜ではあるんですが、以前加賀へ旅行に行った際
彷徨(さまよいあるく事)というんやで☆
一度食べて以来気に入ってしまい、どこかで見かけては買ってくるを繰り返しているお気に入りの野菜です。
どんな野菜?
冒頭でも触れた通り、生産地に近い地域で流通している『ご当地野菜』の様な存在で、金沢では他の五郎島金時などのご当地野菜と一緒に『加賀野菜の金時草』と呼ばれたり、愛知では式部草、熊本では水前寺菜、沖縄ではハンダマなんて呼ばれたりもするそうです。
総じてあまり知名度は高くなく、他の地域ではあまり見ないものの、現地では当たり前のように親しまれ、食されている野菜です。何だかズルい気がします。
別に隠してたんやなくてあんたが知らんかっただけやで☆
↑の地域の通り何だか根付いた地域はバラバラ、共通点もないように見受けますが、そのルーツはどうやら熊本県にあるようです。東南アジアから熊本県の水前寺区と言う場所に伝来した為、その名前が付き、正式な和名も『水前寺菜』が正しいそうなんですが、全国的な流通にまでは至らなかったようです。
この野菜の旬は6月~11月、特に夏の暑い日によく生育するので、その頃が旬と言われているそうで
真逆よね、今☆(2019.2.20現在)
オールシーズン京都で見かけるの稀なんで買える時に買って書かないと。
夏の暑い日にひんやりお浸しにして食べると美味しい野菜ですが、割と煮・炊き・炒め・揚げと、なんにでも使える便利な野菜です。
作ってみた
おひたし編
呼び名の一つに式部草とありますが、この野菜のおっきな特徴は葉の裏、そして下茹でした時にその理由がよく分かります。
これ、金時草の茹でた後のお湯です。綺麗な、そう、まるでウミウシのたいえき
ラベンダーティみたいね☆
珈琲それもブラックしか飲まない僕には、そういうの全く馴染みがないんです。
恐らく葉っぱの色素そのままがお湯に溶け出すんだろうとは思いますが、天然のものでこんな鮮やかな染料のような色が得られる食材も珍しいです。これはこれであとで使えますので、捨てずにとっておきましょう。
下茹でした金時草です、軽く水を絞ると金時草のもう一つの特徴『粘り』を感じることが出来ます。
もう、持っただけでぬるぬる。水あめの様な糸を引く水の様な粘液の様な不思議な感触は、ねばねばした食べ物好きなら堪らない事でしょう。
お浸しなので、そのまま刻んで、単体で食べてもおいしいですが、今回はねばねばしたものと合わせてみる事にします。さっと茹でただけなので茎は半分くらいより分けておいたほうが食べやすいです。
あかもくという最近ブームになりつつある海藻です。別名『あかもく』、これも負けず劣らず粘り気がウリの食材です。
納豆。こちらはねばねば食材界では定番中の定番ですね。
ねばねば食材界って何やねん(゜σ ゜) ホジホジ
これらをよくかき混ぜると出来上がり。
味付けは納豆についてるだしや、白出汁、さっぱり食べたい時はポン酢なんかも良いと思います。因みに僕はこれで作ります。
ねばねばした感触とシャキシャキした歯ざわりが同居する不思議な食感。そのまま食べておつまみにしても、ご飯にかけても、素麺にもよく合います。
炊き込みご飯編
今度はご飯に混ぜ込んでみます。ここで先程のゆで汁を米に合わせて使います。さっき分けておいた茎はここで使うと丁度いいです。
あとは普通に炊飯器スイッチON。同僚には古代米と間違えられるような鮮やか紫ご飯が簡単にできます。
基本的にやっている事はご飯に入れた水が違うってだけなので、失敗はまずありません。最後に今回の二つをコラボ。ご飯2,3杯は造作もなく食べれます。
まとめ
今回はこれで以上です。
茹でると紫が煮だされますが、使い方はホウレンソウやモロヘイヤに近い感じです。
性質も結構似ているので、パスタにもバターソテーにもグラタンにも色々使えますが、全部紫色に染まるので、染まっても問題のないレシピに使う事だけ気を付けましょう。