今回はお酒のアテシリーズ『あなご』です。
お寿司屋さんでも馴染みの深い、そして比較的親しみやすいお値段でご提供頂ける穴子=アナゴ=あなごが今回のお題です。
アナゴをちょっとご紹介
アナゴって?
無論マスオの同僚ではありません、うなぎによく似たあの長~いやつです。因みにウナギ目アナゴ科に属する魚類全般をさしてそう呼ぶので、こんなグロい感じですが一応分類上は魚で、うなぎより若干安く食べることが出来ますが、広義な意味ではうなぎの仲間ということになります。
ギャグのような口と目はもう、グロさを通り越して愛嬌すら感じますが、昔から日本では食卓で親しまれてきた美味しい海の幸の一つです。
アナゴは生食できない?
言われてみればそうかも知れないという程度かもしれませんが、アナゴの刺身って殆ど、というか全く見たことがありませんよね。
全くなんは筆者が廻る寿司以外でアナゴ見ないせいもありますが☆
実はこれ、アナゴの血液には毒が含まれているんです。
その人違うやつや☆
これは何もアナゴに限った話ではなくて、ハモやうなぎなどニョロニョロ系の魚類全般に言える話。致死量はおよそ1リットル程度。ペットボトル2本分ってとこ。
こんな量水だって一気飲みすればどうにかなってしまいそうな量のため、流石にこの毒で死んでしまうことは無いだろうものの、摂取すると嘔吐・下痢などを引き起こす為、生食には不向きな魚ということらしいです。
アナゴは昔から色んな調理法で親しまれてきた魚ですが、それはどれもしっかりと火が通されているから。この毒の特徴として火を通せばすぐに毒性を失ってしまいます。
なので、蒲焼きはもちろん柳川鍋などは毒なんて気にせず食べることが出来るというわけです。
一流の板前さんなら血に十分注意を払った上でお刺身などご提要できる方もいるようですが、素人はくれぐれも無理しないようにしましょう☆
アナゴを調理
改めましてアナゴです。街のみなとの店頭で見かけた時はそれほどの大きさとは思わなかったんですが、この肉厚の身が2,3重に折り重なっています。寿司20貫それも皿から溢れるやつが軽くできそうな大盛りが1,100円、相変わらずスーパーの値段ってなんなんだろうと思わされます。
これだけあれば微塵も後悔することなく調理が出来ます。
まずはぬめり取り
とりあえず全メニュー共通の下ごしらえとして、皮のヌメヌメを取り除かないといけないそうです。難しい話ではなくこの皮の部分に熱湯を注ぎあてていくだけ。
それで身の方もキュッと引き締まるので、出来れば氷水でさっと身を締めると尚良いんだとか。エグみのもとにもなるみたいなんで、冷水締めよりも熱湯を充てた皮を包丁でなでてぬめりを丁寧に落としていきます。
柳川鍋風
- お酒、白だし、みりん:各適量
- 玉子:2個くらい
- アナゴの身:5,6切れ
煮込むだけなので簡単時間がかかるので煮込みを火にかけていくようにします。
調味料を火にかけて、アナゴをひと煮立ち。一旦火を止めて溶き卵を回しかけて今度は弱火で10分程度。味のアクセントが欲しい人は練り生姜なんかを少し加えても良いです。
ちょっと玉子が固まりすぎてしまいましたが、火加減に気をつければ玉子がもっとふんわりした感じに仕上げることも可能です。
あなご飯
- 米3合
- アナゴ:4,5切れ
- 昆布など出汁食材
瀬戸内、特に広島の辺りでよく見かけるあなごめし。正しくは蒲焼きにしたアナゴを使用するらしいんですが、炭も練炭もないので今回は蒸したものを、というか炊飯器で蒸されるのでそのまま炊飯器へ。
おっちゃんちょいちょい雑なのが残念やね☆
味付けは昆布を米の底に仕込むだけ。
小骨の多さに少し辟易としてしまいますが、それを除けば十分美味しく頂けます。
アヒージョにも
- オリーブオイル:適量
- オリーブ:10個弱
スキレットへオリーブオイルの層ができる程度注ぎ熱します。アナゴ+オリーブ投入。
以上。火加減に気を使うほかは手軽に出来る一方、家族ウケがいいのでいつも助かってます。
大人の味を表現したい時はガラム・マサラや花山椒を振りかけても良しです。
蒲焼き
蒲焼きと言っても炭も練炭も無いよドラ○もん。
自分の歳を確認してからロボに頼る選択肢を考えようか☆
無いならグリルでということで、でもタレもありません。そこで考えたのがすき焼きのタレ。
関西住まいなので、割り下の文化にあまり馴染みがないんですが、手軽に甘辛い味を求めるならこれが一番。
火加減を間違えると途端に炭へと変貌するので、皮をパリッとなんていう焼き方はとてもできませんが、ふわっとした身だけを求めるならグリルでも問題なく焼けます。
問題は頭
さて、最後残ったのはこいつです。なんていうか目が合う気すらするのでホルマリンでも買ってきて浸けて飾っておきたい気分にすらなります。
玄関にでも飾る?
ただ、こいつも食材。買った以上は食べなければなりません、なのでとりあえず茹でてみます。昆布入れて、味に絶対失敗がない貝も入れて、出汁を取ります。
最後春雨を投入して完成。
貝の出汁が効いて超うまいです。名付けて『ホンビノス貝汁』。
頭入れた意味あったの?
まとめ
今回はこれで以上です。
アナゴの生なんて見たの自体初めてでしたが、一匹がこれだけ大きい事も、切りさえすれば割と色んな料理に使えることがわかりました。
パッと見に気圧されて買うのを躊躇してしまいそうなところですが、生以外なら似ても焼いても茹でても揚げても美味しく食べられるあなご。
未経験の方はぜひ一度お試し下さい。