今回は大阪にある『阿遅速雄神社』のご紹介です。
地域名でというところの『放出』、場所も神社名も中々の難読な神社、今回はこの『阿遅速雄神社』に一礼。
神社概要
この神社があるのは大阪市鶴見区。阿遅速雄神社(あちはやをじんじゃ)と読みます。
最寄り駅は『放出(はなてん)』、どっちも初見ではまず読めません。
大阪と言えば高層ビルが立ち並ぶ大都市のイメージを持ちがちですが、この鶴見区辺りは下町の情緒が残る界隈で、そんな駅前の街並みに溶け込むようにしてこの神社はあります。
神社の起源は天智天皇の頃(668年)に発生した草薙剣盗難事件まで遡ります。
東南の犯人である新羅の僧『道行』が船で新羅に逃げ帰る時に、突然の嵐に巻き込まれます。神罰を恐れた途中の河口に放り投げられた剣は里人に拾われてこの神社に一時期納められていたそうで、これが神社創始とされています。
因みに草薙剣はその後、無事熱田神宮に返されたんだとか。
創始のご縁からこの神社は熱田神宮との親睦があり、例祭日には互いの宮司や神職が参拝したり、参列する習慣が続いているんだそうです☆
現在の地に遷座されたのは明治時代、片町線建設の際に遷されて現在に至ります。
ご祭神は阿遅鉏高日子根神、あまり耳馴染みのない神様ですが、大国主神と多紀理毘売命との間に生まれた神様です。
農業の神、雷神、不動産業の神として信仰されている神様で、具体的には五穀豊穣、商売繁盛などが挙げられます。
また、配祀する神様に八剱大神も挙げられますが、これは草薙剣が熱田神宮へ返される際に神剣に宿る神霊の分霊を配祀したのだとされています。
八剱大神をお祀りする神社としてはお隣の『鴫野』駅前にある八剱神社などでもお祀りされているので、この辺りで厚く信仰されているのがよく分かります。
境内散策
拝殿・ご本殿
入口の御門をくぐり、奥にあるのが拝殿、そしてご本殿です。
狛犬は何故か2対鎮座しています。
社号標石
『阿遅速雄社』と彫られた標石。1736年頃に建てられたとされる石で、大阪の有形文化財に登録されています。
楠木
神社シンボルの楠木。
御朱印
御朱印は社務所で頂けます。とてもシンプル。
アクセス
住 所:〒538-0044 大阪府大阪市鶴見区放出東3丁目31−18
駐車場:なし
JR片町線『放出』駅降りてすぐ。
まとめ
今回はこれで以上です。
冒頭でも記載した通りこの辺りは大阪の下町、がやがやした梅田・難波の喧騒はここまでは届かず、駅前には高いビルなんかあるもののちょっと離れると情緒溢れる街並みが続きます。ゆったりした時間を感じる事が出来ると思います。