今回は和歌山県にある淡島神社のご紹介です。
和歌山市の西端の加太港という漁師町のような場所にある海に向かって建つ神社。
この神社の特徴は人形供養、日本人形は勿論、持ち主に大事にされた人形たちがその供養の為に奉納される場所で、その数およそ40万体。
その迫力はもう、一体くらいこっち向いても自然に思える程。他では見る事が出来ないような光景が境内中に拡がっている必見の神社。今回はそんな淡島神社に一礼。
神社概要
神社があるのは和歌山市の西端『加太港』
この神社があるのは和歌山県和歌山市。市の中心『和歌山城』からずっと西へ。加太港と言う、港あり・海産物を食べられる施設あり、砂浜あり、釣りが出来、マリンレジャーが出来ます。ちょっと前から通称『ラピュタの島』と言う事で知られる友ヶ島に渡る事が出来るのもこの港からという、総合マリンスポットとでもいう場所。
特に夏なんかには御膳は散策、昼食に浜焼きを食べて、午後は海水浴、夕方以降旅館で淡島温泉でほっこりしつつ、日本酒飲んで海鮮三昧のあとに淡島神社で肝試し。
最後のすっごい罰当たりな上、多分閉まってる☆
昼間でこの迫力です、夜間拝観とかたとえ神社側が許してくれても僕は絶対入る事は出来ません。
創建は三韓征伐よりも昔
この淡島神社は全国に数多く見られる淡島神社の総本社。その創建の歴史は古く、和歌山県随一と言われています。元々は現在もご祭神の少彦名命、大己貴命の両神様がこの近くの神島(友ヶ島の離島)にお祀りされたのが興りとされています。
両神様はともに、国生みの神話にも登場する神様でいつから信仰されていたかなどは、はっきりしないほど古いようです☆
神功皇后が三韓征伐の帰り、瀬戸の海で突然の嵐に遭遇、船中で祈りをささげたところ、『船の苫(雨をしのぐ藁で出来たむしろのようなもの)を投げて、そのまま流れるまま船を進めなさい』とお告げがあり、その時に入港したのが友ヶ島。神功皇后は嵐の難を逃れる事が出来た事を喜び、持ち帰った三韓征伐の戦利品を二神様に捧げます。
更にその後仁徳天皇が加太に狩りに訪れ、この逸話を耳にしてお社を対岸の今の場所に社殿を遷し、現在に至っています。
ご祭神は少彦名命・大己貴命・息長足姫命
この神社のご祭神は3柱。元々お祀りされていた二神様に加えて、三韓征伐の帰途に立ち寄る事となった息長足姫(新功皇后)を加えて3柱をお祀りしているようです。
- 少彦名命(すくなひこなのみこと)
各地で医薬の神様として信仰を集めている神様。病気平癒、特に婦人病治癒・安産・子授けに関するご利益が得られるとされています。
- 大己貴命(おおなむじのみこと)
国つ神の大元のような神様で、『因幡の白兎』などのお話でも知られるメジャーな神様です。国つくりの神様という事で、農業・商業の神様として信仰されています。
- 息長足姫命(おきながたらしひめのみこと)
応神天皇の母にあたり、熊襲討伐・三韓征伐などで数々の武勇も馳せる力強い神様、肝っ玉母さんみたいなものを想像するとわかりやすいでしょうか。神功皇后は母としての子授け・安産・子育て、武勇を馳せた戦女神として勝運・外交・厄除けと色んな事に大活躍してくれる神様でもあります。
境内散策
ご拝殿・本殿にも人形がいっぱい
神社は境内としてはそれほど広くはありません。鳥居を越えて、境内を進んでいくと一際立派な社殿が見えてきます、それがご拝殿です。
どうでしょう、この圧巻の見応え。
この白い点のようなもの、全部人形の顔です。もう拝殿を埋め尽くさんばかりのひな人形がこんにちわしている姿はもう圧巻です。
これは何も正面に限った話ではなく、門扉の横にも社殿横にも後ろにも様々な人形たちが奉納されています。
針供養塚
ここは見た目のインパクトから人形供養が有名なんですが、人形とはなじみ深い針供養でも有名な神社で、境内には針供養塚も建てられています。
毎年2月ごろ、全国から奉納された針たちはいっせいに供養されるんだそうです。
どこもかしこも人形✕3
この神社の境内はどこに行っても人形がいっぱいです。
人形と言ってもひとがたに限った話ではありません。動物もいれば、信楽で量産されているたぬきさんがいたり
これ捨ててええんかよ?と思える七福神様などの縁起ものがあったり。
衝動買いってだからあかんねよね。
他にも色々、小一時間も境内を散策すれば向こう一年はもう人形はいい(見たくない)かなって気分になれる程様々な人形を見物する事が出来ます。
人形供養は仏滅以外
人形供養はどうやら随時受付のようです。ただ、一つだけ注意があって『仏滅の日は受け付けていない』事。
あとは諸注意のみです。
- 人形のみのお預け(装飾品等は外してね)
- 人形と引き換えに形代を渡されるので住所・氏名・願い事を記入(形代は3月3日にひな人形と一緒に舟で流されます。)
- 人形は夕方に一斉に供養します。焼却委託料は専用ケース1箱で1,000円程度。
摂社
姿社(すがたしゃ)
本殿から左に向かった行き止まりにある姿社。
何かの姿に似ているから姿社と言う名前なんだと思いますが、いまいち分りません。
因みにこの横には楕円形の真ん中にくぼみが出来た石も安置されています。
紀文稲荷神社
この神社の一番奥にあるお稲荷さん。
この辺り出身の豪商『紀伊国屋文左衛門』が江戸に移る前に奉納したとされる神社です。
遷使殿
紀文稲荷の横にあるお社で、少彦名命の使いとされる蛙を祀るお社です。
ご本殿にお願い事をした後はしっかりとこちらも参り『ちゃんと願いを少彦名様に届けてや』と念を押すお社なんだとか。
港の傍なので、海の幸も堪能できます
僕は神社だけ回っていれば満足なんですが、誰でもそういう訳には参りません。
でもこの界隈はマリンリゾートでもあります。上述の通りちょっと所帯じみた感は否めませんが、特に海産物は色々とお店が出ているので、家族を上手い事丸め込んで一緒にお参りしてみましょう。
境内を抜けたすぐ先にも数軒。
境内から抜けた海岸の先にあるのが、魚介をそのまま楽しめるおさかな創庫もあり。
とある諸事情で訪問当時満腹だったため、今回見送りましたが、お魚の焼ける匂いが建物中に広がるこの香しい空間は、正に誘惑の塊と言っても過言ではありません。
ご神水
ご拝殿脇にある蛙たちとが飾られている祠があります、ご神水『塩壺の水』。
この水を体にふりかけると願いが叶うとされています。今回僕の訪問時はまだ寒さが残る春の初めくらいだったので、控えめに頭に降りかける程度でしたが
そういうところでいつもヘタレるわね☆
真夏のご参拝時などはもう行水の様に体に降りかけ願いを成就させましょう。
ご朱印
御朱印は社務所にて頂けます。ひな人形と思しき印が可愛らしい。
アクセス
住 所:〒640-0103 和歌山県和歌山市加太118
駐車場
付設駐車場はありますが、休日は期待薄。周辺に大きな駐車場がありますが、どこも待ち時間は覚悟した方がよさそう。
まとめ
今回はこれで以上です。
散々怖い怖い言ってきましたが、神社に奉納されているのは持ち主に大事にされ、手放す段になっても人形の事を思って、奉納されたものばかりです。
一人でさんざん言ってただけやけどね☆
動く子もいるかもしれませんが、少なくとも悪い気は感じなかったので(ほんまに危ないところ行ったら身の毛がよだつ感覚が味わえます。)、大事にしてきた人形に感謝の気持ちを込めて、お納めしたいと思うなら是非ここの事を思い出してください。