京都の紫陽花の名所ってお寺や神社が多いんですが、大阪では逆に紫陽花の名所と呼ばれるのは公園だったり浄水場だったりと、お寺以外の場所が多いんです。
紫陽花は寺社と共に眺めたい派である僕にとって貴重な存在、それが今回の長慶寺です。では今回は長慶寺さんに一礼。
お寺概要
お寺があるのは大阪泉州地方
このお寺があるのは大阪南部、今の市町村名では泉南市ですがこの辺りは和歌山の端っこ辺りまで含めて全部泉州と呼ばれた地域。今でも『泉州の水なす』などが有名で、和歌山と山を挟んで両側に山寺が点在する地域でもあります。
創建の歴史など
元々この寺院はここより北にあったとされる海会寺の別院の一つとして建立されました。海会寺自体が現存していないため、開祖・行基の年代(724年頃)から推察されたという不確かなものであるため、はっきりした年代は不明です。
この辺りの寺院は大体、紀州攻め、つまり根来衆VS織田信長~豊臣秀吉に参加し、あるいは巻き込まれ焼け落ちたり、無くなったりしています。海会寺もその例にもれず、その一部を残してあらかた消失。
この海会寺に限らず、この地域の有名な寺院はほぼ戦火に巻き込まれている事から、その戦いの激しさが窺えますね☆
海会寺がなくなった際、この離れた場所にあったこのお寺と、焼け残った観音堂に着目した豊臣秀頼の手によって、観音堂をこのお寺に移築し再建にあたったとされています。お寺の名前はこの時に年号『慶長』をひっくり返して『長慶寺』と名付けられました。
拝観時間・アクセスなど
住 所:〒590-0504 大阪府泉南市信達市場815
駐車場:東側入口に20~30台分程度あり。
拝観料:無料。
あじさいで割と有名なお寺ですが、穴場というのか観光バスが大挙して乗り付けるような場所でもないので、比較的ゆったりと拝観することが可能です。
御朱印
御朱印は三重塔裏側の寺務所で頂けます。
和泉西国28番札所に数えられているお寺ということですが、このくくり自体初耳です。
境内を散策
あじさいのことばかりが取り上げられがちなこのお寺ですが、境内には立派な社殿や塔などの建造物があったりと、色々見どころの多いお寺だったりします。
ご本堂
境内のちょうど中心にあるのがご本堂。堂内の撮影は自粛したものの、普通に拝観して拝むことは可能なようです。
紫陽花の見どころ
このお寺の紫陽花は庭園を埋め尽くさんばかりに群生していたりといったものではありません。どちらかといえば境内のあちらこちらに植えられているといった印象で、境内のどこを巡っていても紫陽花が見られるというお寺。
紫陽花満開からは1週遅かったようで、少し枯れかけの部分もありますがまだまだ綺麗に見られます。
参道~山門
このお寺で一番有名なのがこの山門までの道。両脇に紫陽花がはり出した紫陽花の群生はなかなか圧巻。
駐車場脇
東側に駐車場があるんですが、その斜面にも紫陽花が植えられ艶やかな光景が広がっています。
他にも
境内はそこかしこに紫陽花が植えられているので、言ってみればどこに行っても紫陽花が見られるお寺です。
開山堂
境内東側にあるのが開山堂。目の前に朗らかな表情が印象的な七福神様が鎮座。
南海七福神の福禄寿の場所と聞いていたんですが、見る限りどう見ても布袋さん。
三重塔✕2
このお寺の境内を豪華足らしめているのが三重塔。ここには三重塔が隣り合って2対建てられています。
境内向かって右側にある方の塔。
向かって左の方。
どちらも何度かの改修の手は入っているのか真新しくも見えますが、かなり立派。
三尊像?
三面像は割とよく見かけますが、こちらにあるのは閻魔、仏眼、山花の三体が互い違いに鎮座する像。説明がないので、言われや建立の縁起などは不明。
山門
紫陽花ばっかり見とれてつい見逃してしまいそうですが、ここの山門はかなり見応えあり。両脇の阿吽の金剛力士像もかなり威圧感があります。
山寺の扱いなのか、参拝者の足の健康を祈願されただろう大草鞋が掛けられています。
鐘楼
かなり立派な鐘楼。残念ながら普段勝手に鐘を突いてはいけないそうです。
まとめ
今回はこれで以上です。
多分、ここを初めて訪れる人の大概は紫陽花を目当てに、この時期に訪れることでしょう。そして『紫陽花そこまででもないな』という印象を受ける一方で『ここのお寺見どころが多いな』と思うことでしょう。紫陽花はもちろん綺麗ですが、いい意味で期待を裏切ってくれるお寺です。大阪紫陽花だけじゃない見どころたくさんの穴場スポット、一度訪れてみてください。