今回は最近宇治でよく目にするようになった謎の一つ、『崖っぷち弁当』のご紹介です。まあどんなものを指しているのか何となく伝わってくるものの、今回はそんな崖っぷち弁当をリサーチ。
外食産業の現状
そもそもこれは宇治市の中でも『宇治橋通り商店街』という超ローカルな界隈でのお話です。ですが、これは日本中どこにでも今起こっている問題の一つにまつわるお話。
現在とりあえずGW終わりの5月6日まで、もしかしたら延長もあるかもとされている新型コロナウイルス蔓延に伴う、緊急事態宣言に基づく外出規制。
強制力がないだの何だのかんだの言われていますが、街を歩く人は激減しました。そして経済の流れも食材などの一部生活必需品購入を除きストップ。にもかかわらず新規感染者は減る様子がない中、当初GW終わりまでとされていた規制期限の延長などが叫ばれたりもしているわけですが、この煽りを大きく受けている一つが外食産業とも言われています。
客足激減、けど閉めれば収入0。閉めないなら仕入れが発生するけど食材は当然腐る。大手は蓄えや体力があるけど、中小は毎月の水道光熱費や家賃、人件費、お店によっては開業設備投資の返済などもあります。
閉めるに閉めれないけど空けてても問題は全く解決しないという、まあ普通に考えればすぐにわかるほどに、どう動いていいかわからない苦しみに喘いでいるのが外食産業なんだとか。
これが一ヶ月だけならまだ割り切って我慢するという選択をとるお店もあったんですが、これが延長するかも、となればいよいよにっちもさっちもいかなくなる、他にも言えることですが、これが外食産業をとりまく現状なんだそうです。
エール飯
個人的に行政に懐疑的な僕。お店もただ100万円だの200万円だのいう助成金を頼みにして指をくわえているわけではありません。今、色んなお店で急遽力を入れるようになったのが『テイクアウト』。これは前々から手を広げようとしていたお店もあれば全く考えていなかったお店もあって、各店の動きはまちまちだったんですがここへ来て各店が一斉にテイクアウトグルメに力を入れるようになりました。
これは宇治に限った話ではなく、全国で巻き起こっているお話で、いつもお世話になっているお店を応援しようというお店の常連さんを中心として、テイクアウトグルメの宣伝をSNSを通して協力する『#エール飯〇〇』(〇〇には地域や市町村名が入ります。)というのが流行しているようです。エールと言っても別に慈善事業ではありません、お客側も普段外食で楽しんでいる味が規制で食べられなくなりました、これを提供してくれるテイクアウトグルメが味わえるのは斬新でやっぱり嬉しい、だからそれを発信する。するとお店側も反響が増えてメニューにも更に力が入り、更に美味しいメニューが登場するという好循環が生まれる、かもしれないというウィンウィンの関係と言う訳です。
崖っぷち弁当
エール飯というのはあくまで客側のSNSによる任意発信によるもの、つまりお店側からするとメニュー発信など以外は受動的なものに終始します。つまりそこのお店を元から知っている人にしか受信をしてもらえません。
それに対し、この崖っぷち弁当は個々ではなく有志一丸となり、能動的にテイクアウトグルメを発信するプロジェクトと言えます。
- 弁当名『崖っぷち弁当』
- 価 格:800円
上記以外は参加店舗各々で考案したメニューが詰め込まれたお弁当。お弁当を作りましたと言うよりは、この界隈では色んなお弁当が売られていますよ、という共同での宣伝活動とも言えるかもしれません。
ネーミングはかなり自虐的な気もしますが、あながち大げさでもないのかもしれません。そして『助けてください』ではなく、『美味しいもの作るから食べに来てね』という意欲を感じます。
プロジェクト参加店舗
一昔前ほどは美味しいお店といえば駅前のちゃんぽん屋くらいだったのが、最近は居酒屋を中心にどんどん美味しいお店が増えてきて地元民としては有り難い限りでした。そこへきて痛々しいお話だったわけですが、プロジェクト参加店舗を見る限り知っているお店ばかりです。
プロジェクト参加店舗は僕が聞いている時点では12だったのが、現在は17。今後も増えていく傾向になろうと思います。
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お客側としては、お店のテイクアウトグルメの選択肢が一つ増えた位置づけになります。お弁当800円は強気設定な気もしますが、客足激減の中来てくれるお客さんに精一杯アピールする上で落ち着いた価格だと聞いています。
nicoはお店の特色を活かしたオーガニックな感じに
今回お世話になったのは上記にないお店の一つnico。自然食ビュッフェという感じのお店で、お野菜もりもり食べたい時におすすめのお店です。
nicoさんのお弁当はこんな感じ、お品書きまでついていてちょっと楽しくなります。メインに鶏肉をチョイスしてローカロリーに、そしてお野菜も豊富に摂取できるのが嬉しいところ。
混雑時などお弁当の準備に時間がかかる場合もあるそうです。電話での事前予約が可能なので、そちらのほうが良いかもしれません。
基本情報はこちらから。
まとめ
今回はこれで以上です。
お出かけしていないので、その分このお弁当の価格帯なら食べて回ることが出来ます。
エール飯というとなんだか助けているという意味合いを感じてしまいます。
お店側にとって今は辛いと思いますが、美味しいお店ばかりなので是非この局面を乗り越えていただいて、普段貧乏なので外食では滅多にお世話になれない顧客層に訴えるテイクアウトグルメを定着させてほしい、そんなふうに思う、そんな退屈と鬱屈と陰鬱なニュースに苦しめられる毎日の中で明るい兆しを感じる、そんな一日でした。