今回は京都市にある『護王神社』のご紹介です。
京都の中心『京都御所』、この神社はその守護の様に西門を出てすぐにあります。
狛犬ってよく見ますが、ここにはちょっと珍しい狛猪がいる神社です。
では、今回はそんな護王神社に一礼。
神社概要
ご創建の歴史
この神社があるのは京都市、今も昔も京都の中心とされる京都御所の西門『蛤御門』すぐの位置にあります。といってもご創建当時はここよりもずっと北、神護寺の境内にありました。
神護寺を建立した和気清麻呂公の霊社がそもそもの始まりとされています。正確な創建年は不明ですが、清麻呂公が平安京遷都に貢献された人物という事からその死前後にまで遡ると推察されます。
それからずっと後の江戸末期、第121代孝明天皇が清麻呂公の歴史的功績を讃えて正一位護王大明神の神階神号を授けられ、明治7年(1874)には「護王神社」と改称して別格官幣社に列せられました。
明治時代に入り、明治天皇の勅命により現在の場所『京都御所蛤御門』前の現在地に遷座され現在に至ります。また、この後に清麻呂公姉の和気広虫姫も合祀されました。
ご祭神・ご利益など
この神社のご祭神は和気清麻呂公とその姉和気広虫姫。
この姉弟は奈良時代末期から平安初期の人物で、政争に巻き込まれ一時期は流罪にされるなどの憂き目にあったものの、その持ち前の才覚から再び朝廷へ仕える元に返り咲き、当時桓武天皇に平安京遷都を提案し、見事説得。その遷都事業に多大に貢献した人物とされています。
この神社は家内安全や商売繁盛、交通安全など、諸祈願のご利益に肖ることが出来ますが、その中でも有名なのが足腰の健康・病気怪我回復、厄除け・災難除け、亥年生まれの御守護、子育て・子供の成長の御守護などの強いご利益があるとされています。
境内散策
ご本殿・拝殿
街中にあるだけあって、神社の境内は広くはありません。
ご本殿・拝殿は鳥居をくぐったすぐにあります。
拝殿の四か所にはそれぞれ四神といって『青龍、白虎、玄武、朱雀』の額が飾られ、境内守護に充てられています。
拝殿手前にはこの神社のシンボルともいえる狛犬ならぬ狛猪が鎮座。これは和気清麻呂公と猪の並みならぬご縁からくるものとされています。
幸運の霊猪
この神社一番のパワースポットは手水舎にあります。
鼻を撫でると幸せが訪れると言う『幸福の霊猪』。多くの人が幸せを得ようと撫でられたのが、色が変わった鼻からそれが窺えます。
招魂樹
この神社のご神木『招魂樹(オガタマノキ)』。
根元に沢山刺さっているのは座立亥串(くらたていぐし)と言い、自分の名前と願い事を書いてここに挿すというこの神社独特の願掛けです。
足腰御守りの碑
この神社のご利益の一つ『足腰の守護』を象徴する碑です。
これは和気清麻呂公が大隅の国(今の鹿児島県あたり)に流罪になった際、足が萎えて立つこともできなくなってしまった時に、猪の加護によってたちどころに歩けるように回復した事に因みます。
御朱印
御朱印は境内南側の社務所で頂けます。護王神社の文字以外概ね読めない箇所が多い達筆っぷりです。
アクセス
- 住 所:〒602-8011 京都府京都市上京区 下長者町下ル桜鶴円町385
- 駐車場:あり
京都市中京区国道367号線(烏丸通)京都御所蛤御門南西。境内北側に駐車場あり。ちょっと狭い。
まとめ
今回はこれで以上です。
狛猪は、猪だけあって雄々しい一方でどこか愛嬌があります。近所の方にもきっと親しまれている事と思います。
撫でると幸せになれるイノシシは手水舎でさりげなく水を湛えているので、知らずに訪れると見過ごしてしまうかもしれません。ご参拝の際は忘れずに撫でてからお帰りになるようにしてください。