今回ご紹介するのは枚岡神社、河内国一之宮の神社です。
河内国というのは、今の大阪東部、北は枚方や寝屋川、南は羽曳野、藤井寺、松原あたりまでを指す広大な地域で、一之宮というのはその国で一番の神社ですよという意味、格式の高い神社なんです。
場所は、大阪の東大阪市、ちょうど河内国という括りでは中心辺り、生駒の山々の牧岡山の麓に鎮座します。今では近鉄奈良線『枚岡駅』が入口になり、見上げれば神社の正面鳥居を拝む事ができます。
周りには住宅街がひしめき合う中、境内に一歩足を踏み入れると空気が変わるというんでしょうか、喧噪が少し遠くに感じるような、そんな感覚に陥る山に囲まれた自然豊かな神社です。
- 住 所:〒579-8033 大阪府東大阪市出雲井町7−16
- 駐車場:あり
駐車場は広くて無料、しかも結構な台数が止められるので、盆暮れ正月を除いては車での参拝も問題ありません。
では、今回はそんな自然溢れるパワースポット『牧岡神社』に一礼。
鳥居をくぐると真一直線に続く参道が続きます。
山の中腹に位置しているのと、隣接道路が生活道路なのもあって、蝉の鳴く声だけが辺りに響き、うるさいけど静か、そんな中々に歩いていて気持ちのいい参道です。
手水舎。一見龍のように見えたんですが、鹿です。鹿は神の使いとされていて、境内の穢れを見張ってくれている監視役を担っているとか。柄杓がないので、手柄杓になります。
拝殿前の階段には注連縄とこの両脇の矛。
この神社の祭事で平國祭というものがあり、その際には国の安穏を祈願して地面をつくんだそうです、そこにちなんだものなのかもしれません。
この神社の境内は川により護られているようで、山上から川下に向かい、境内の半周を囲むように川が流れています。所々で目にすることが出来ます、耳にも目にもそして体をも癒してくれる、そんな造りになっています。
石段手前にも神鹿の狛犬?向かって左に小鹿がいるので恐らく雌鹿、右が牡鹿ということでしょう。
石段を登ると正面に在るご拝殿と由緒書き。
この神社の創建は初代神武天皇即位前3年、といってもわかりませんねw紀元前663年程まで遡るそうです。中臣氏の祖とされる天種子命(あめのたねこのみこと)がこの神社創祀の地である今でいう本宮(山の山頂)に天児屋根命(あめのこやねのいのち)をお祀りしたのが起源とされています。
本殿は4殿あり(多分右から)1殿~4殿と居並び、
1殿:天児屋根命(あめのこやねのみこと)
2殿:比売御神(ひめみかみ) ⇐ 天児屋根命の后神
3殿:経津主命(ふつぬしのみこと)
4殿:武甕槌命(たけみかづちのみこと)
が各々祀られています。
天児屋根命と聞くとなかなかピンと来ないかもしれないですが、天照大神が天岩戸に籠ってしまったという神話の中で、この神様の果たした役割は『祝詞』をあげること。
その為、この神社のご利益は学業成就・必勝祈願・交通安全とされていますが、必勝・学業成就など特にはっきりと自分は〇〇を願います!!と言葉にして願うのがよいそうです。
さて、左に御朱印を頂く、右にお守り授与所がわかれて立っているのですが、まずは御朱印を頂きに左へ。
見えにくいかもしれないですが、ご神紋の下り藤が描かれています。
768年春日大社から経津主命、武甕槌命の二神の勧請された事に因むものだそうです。
また、こちらはオリジナルの御朱印帳の取り扱いもあるようなので、目に適った方はぜひ。
続いて本殿右のお守り授与所へ。勝守りというものにインスピレーションを感じたので、お授けを頂きました。勝負ごとに、何より自分に克つ、この精神は大事です。
境内はそのまま右へ続きます。本殿を拝む遥拝所。ご本殿は遥か山のてっぺん、時間の都合上お参りすることが出来ない僕の様な方はこちらへ。
そのさらに右手、摂社若宮社。
そして、その奥にあるのが、末社天神地祇社(てんしんちぎしゃ)
↑に書いてあるのは全てこの末社にお祀りしている神様のお社。
何て雑多な?!w(゚o゚)w
なんていう僕の率直な感想はともかく、文字通りお祀りされているお社の分だけ神様がいらっしゃる訳で、地味にこのお社がこの神社一番のパワースポットなんて言われたりもしているようです。
このままこの末社をやり過ごし、更に奥へ抜けるとそこは公園になっていて、併設される梅林は『香り100選』と称されるほどに名高い場所です。今は季節ではなかったのですが、神社境内が高台に位置しているので、東大阪の街並みをここから一望できるちょっとしたビュースポットになっているほか
この下草のように見えるのはコスモス畑です。もう少し秋めいた時期には一面のコスモスも楽しめそうです。早々と咲き誇る花もちらほら見かけることが出来ました。
また、この近辺では青々とした紅葉も見かけましたので、初秋から紅葉シーズンまで通しても景色を楽しめそうです。
一度神鹿の狛犬あたりまで戻り、右手の道を進むと禊の滝があります。
夏と言えど水は冷たく流石に禊をする気にはなれなかったですが、宜しければというところでしょうか、脱衣所もありました。
本殿までいかず、拝殿の丁度裏手に回ったところに姥ヶ池があります。
昔、老婆が生活に困窮しこの神社のご神燈の油を盗み売っていたそうで、当初妖怪の仕業と思われたその所業の犯人と知れてしまった老婆は、神社には赦されるものの噂が広まってしまいこの池に身投げをしてしまったという、同情ではないですが何とも切なくも後味の悪い逸話があるそうです。
今回はこれで以上です。願いを口にする事で成就が高まる、念ずればそれ即ち叶うとする引っ込み思案の日本人とっては
『ちゃんとどうしたいんか言わへんとわからへんよ!!』
と言われているようでもあります。お参りの際は恥ずかしがらず、はっきりと明瞭に願いを口にして祈願するようにしてください。