『ハチノス』ってご存知でしょうか、甘い方じゃありません。
焼き肉屋さんでも人気の牛ホルモンの一つ、なかなか癖が強いんですが今回はこれを使ってラーメンを作っていきます。
ハチノスって?
これです。
出した写真撮り忘れました。牛ホルモンの一つで牛の第二胃。2個目というか2段階目の消化器官というか
なんせ4つ並ぶ胃の2番目です。名前の由来は見たらわかるこの湯を通した後のフォルム。穴ぼこ具合が蜂さんの蜂の巣に似ているからこの名前がついたんだとか。
例によって今回も宇治の焼肉屋さんを経営する海雲亭さんの経営する精肉店『韓彩市場』でいい出汁の取れる肉はありますか?という質問をして帰ってきた答えがこれ。
焼肉屋さんに行きたいけど高いよね
そんな風に思うことありませんか。家でやる焼き肉と違い後片付けはなし、煙は立たず油も飛ばず。当然その分が全部対価として乗っかってくるわけですから、例えリーズナブルな焼肉屋さんだったとしてもお値段はどうし[…]
気の良さそうな店員さんばっかりなので大丈夫です。
ホルモンなので当然濃厚で脂っこいスープが取れるんですが、料理としては焼き肉の韓国や中国は勿論、遠く離れたイタリアでも『トリッパ』という料理(ハチノスのトマト煮込み)名で親しまれている意外な食材です。
調理開始
ハチノスの調理は慎重にマニュアルを読んでから
流石にハチノスオンリーの出汁というのも怖いブレ幅が大きそうだったので、まず鶏ガラと魚のアラで出汁をとっていきます。
薄口醤油・みりんと共に圧力鍋で30分、出来上がりはこんな感じ。この時点でかなり美味しそう。
ここへいよいよハチノスを投入、実は今回生で使うのは初めて。
臭っ!!
なんていうか、中年のおじ様が暑い中頑張らはった後の足の裏と体臭を足したようなものすんごい臭いがキッチン中を支配。
確かによくよく調べてみると『独特の臭みがあるので好みの別れる食材』という解説が。全員嫌いやろどう考えてもこれ。
しかし、もう秘蔵のアラと鶏ガラはぶち込んだ後、今更引くわけにはいかないんです。
現在臭度100
- にんにくを大量投入。95くらいに低下。
- コリアンダー(パウダー)95変化なし。
- スターアニス4,5個浮かべる80。おじ様に制汗スプレー振ったくらい
- ローリエを沈めて煮込む50くらい。おじ様の顔を直視できるように
- バジル大量投入30。おじ様が30代に若返る
最終たどり着いたのがこれ。まだちょっと臭いますが食べ物の範疇に治まってくれるようにはなりました。
かえしはごくシンプルに、醤油・みりん・酒を煮詰めます。
盛り付けて完成したのがこちら。まだちょっと臭い独特なにおいが残るので、乾燥ニンニクチップを浮かべて、チャーシュー・みつば・モロヘイヤを添えてみました。
こってりっぽいスープはやっぱり食べてもこってり。浮かべたにんにくをスープと一緒に噛みしめてやっと、臭みは気にならなくなるといったところ。あとに残るのは苦労して残した牛ホルモンの旨味のみ。こってりスープを作るならやっぱりホルモンに勝てるものはありません。
残ったハチノスはトリッパに
今回とある事情により僕一人分を作ることになったので少しスープが余りました。勿論グロ独特な形状をしたホルモン自身も健在。なので、これをトマトピューレと混ぜてオリーブオイル・にんにくで炒めていきます。
出来上がりがこちら、におい嗅いで急遽お惣菜買いに走った人がよそってくれたので、盛り付けのセンスが皆無。
牛ホルの味付けそのままにトマトとニンニクをプラス。本来はしょうがとかであっさり作るらしい。お陰でえらい濃いのが出来上がってしまったんですがこれはこれでよし。
残ったチャーシューはチャーシュー丼に
とある事情によりラーメンは一人前しか(ry
チャーシューが予定以上に余ることとなりました。実は伊賀のもくもくファームで買ったちょっと贅沢なやつ。
なので、細切れのチャーシューをご飯の上に散らしステーキのたれをかけてチャーシュー丼に。
予想よりたれのダマ感がすごかったことを除いては概ね予定通りに仕上がりました。
まとめと反省点
今回はこれで以上です。
ハチノス未体験の方はむしろ何も考えず煮物でも作って欲しいくらいなんですが、とにかく臭いです。ただ、くさやでもとんこつでもそうですが世の中の臭いものはそのにおいにさえ耐えればその奥に詰まった旨味は一級のもの、このハチノスも例に漏れません。
今回旨味凝縮のために茹でこぼしなしで作りましたがはっきりいって濃すぎ、完全に臭みが消えるまで行うかは別にして2,3回の茹でこぼしで旨味を損なう心配は全くありません。ラーメンに限らずホルモンスープにしてもモツ煮にしても美味しく食べることが出来るかと思います。