今回は和歌山県にある藤白神社のご紹介です。
この神社は別名『鈴木さんの為の神社』。代々ここの神職を務めてきた家は全国200万人はいると言われる鈴木さんのルーツにつながるんだとか。
今回はそんな藤白神社に一礼。
神社概要
神社があるのは和歌山県和歌山市
この神社があるのは和歌山県海南市。マリーナシティ初めマリンリゾートが目白押しの和歌山市から少し南へ、工業エリアが湾岸沿いを占めるのが海南市。この神社はそんな港沿いの工業エリアを見下ろす高台に建っています。
全国鈴木さんのルーツになる神社
ここの神職は代々穂積氏という大昔から続く一族が努めてきたそうです。
この穂積氏、時代の流れとともに藤白鈴木家と名を変えていきます。
『鈴木』、全国に大勢いると言われる恐らく日本人の名字の中で最もメジャーな姓の一つだと思いますが、その鈴木さん達のルーツとされるのがこの藤白鈴木なんだとか。
この藤白鈴木氏という家は神社創建からあったという事なのでものっすごい歴史を持つ一族なんだとか☆
饒速日命を祖神とするこの藤白鈴木家は平安時代には前九年の役・後三年の役、鎌倉時代には壇ノ浦の戦い、南北朝時代には後醍醐天皇の南朝方について戦うなど随所で武家としての軍功を挙げていたそうです。戦国時代に本願寺顕如方に属し、神領を没収されてしまったりもするんですが、昭和17年にその末裔の鈴木重吉に至るまで約2000年の歴史を持つ超由緒正しい一族だったそうで、その長い歴史の中で分流(遠い親戚のようなイメージ)として全国に鈴木さんが広がっていったんだとか。
神社の創建は紀元前後
この神社の創建は古すぎて詳細ははっきりしないものの、第12代景行天皇の頃とされています。景行天皇の年は西暦71年からの60年間とされているので、この神社は約2000年の歴史がある超由緒ある神社と言えます。
御祭神
- 饒速日命
天照大御神の直径に当たり、日本神話では天孫降臨の主人公として活躍する神様。
この神社の藤白鈴木氏の祖神にもあたる神様でもあります。
アクセスなど
- 住 所:〒642-0034 和歌山県海南市藤白466
- 駐車場:境内周辺に第1・第2の駐車場あり。
湾岸の国道42号線から山沿いに向かう山道を登った先にあります。国道からそれた先は突然道が狭くなるので注意しましょう。
境内散策
拝殿・御本殿・御朱印
境内中央にあるのがこの神社のご拝殿と御本殿です。
手前に見えるのが社務所で、御朱印もこちらでいただきます。
窓にはでっかく『全国鈴木さんいらっしゃい』の文字が。
子守楠神社と境内の楠木郡
この神社、境内に立派な楠木が多いのも目立ちます。
中でもこの千年楠には縁結び・子供の健康にご利益があるとされています、老木なのでそっと触れてその御力に与るようにしましょう。
藤白王子権現本堂
境内奥にひっそりと佇むお堂、藤白権現本堂。
千手観音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来の三尊が鎮座していています。明治時代に入り神仏分離により全国の神社から仏像の類は殆ど消え失せてしまったんですが、ここにはその流れを逃れた貴重な仏様がお祀りされているんだとか。
有間皇子神社
奈良時代の皇族の名前なんですがあまり耳慣れないかも知れませんが、中大兄皇子の大化の改新前後に政争に巻き込まれて無念の死を遂げた人物としてここにお祀りされています。
父は第36代孝徳天皇、この頃は蘇我氏が政治の実権を握っていたり、それに憤懣する中大兄皇子の勢力があったりと中央がややこしかった時代、孝徳天皇の崩御後、政争に巻き込まれる事を恐れた有間皇子は心の病にかかったことにしていましたが、斉明天皇と中大兄皇子への謀反の企ての罪を着せられ、19歳でなくなったという悲劇の皇子と言われています。
まとめ
今回はこれで以上です。
最寄り駅の海南駅からはかなり距離があるので電車でも行きにくいし、車でも周辺がかなり狭い道になっていてアクセスの難易度がそこそこ高い神社ですが、楠木群といい、有馬王子神社といい、趣のある神社です。
特に全国の鈴木さんは普段まず考えることのない自身のルーツに触れる旅という事でこの神社を目指してみるのもいいかもしれません。