今回は大阪にある『泉殿宮(いずどのぐう)』のご紹介。
付近に馴染みのある方は結構ご存知のアサヒビールの吹田工場があるんですが、この日本初どころか東洋初のビール醸造の前身となった醸造所に馴染みの深い神社という、名前の通りとりわけ水と縁の深い場所です。
では、今回はそんな『泉殿宮』に一礼。
神社概要
この神社のご創建は定かではないものの、古代まで遡るとされています。当初は豊穣の神様である宇迦之御魂神1柱を御祭神としてお祀りしていたこの神社。その後869年、この年大規模な干ばつに見舞われたこの地域、偶然に平安京へお迎えされそうとしていた建速須佐之男大神の神輿がこの社に滞在していました。地元の人たちはこのお神輿にも一緒に雨が降るようにお祈りしたところ立ちどころに泉が湧出し、干ばつから救われたとされています。
天から降るはずが何故か地面から湧き出た訳ですが、そこら辺は当時の人にとっては必死だったことでしょう☆
ご利益は厄除開運。『泉の如く「力」湧き出る 厄を追い払い運を開く』というのがこの神社のご神徳です。今は枯渇してしまったものの、その遺構は今もこの神社の力の象徴として残されています。
境内散策
神社は東西に入口があり、両方に立派な鳥居が出迎えてくれます。
ご拝殿・ご本殿
境内の丁度中心にあるのがご拝殿とご本殿です。大抵は本殿って境内の最奥にあって、その裏はご神域の森等で囲まれているので、本殿は覗き見るくらいしかできないんですが、ここの本殿は境内の中心にあるので、じっくりと観察できる結構珍しい造りになっています。
泉殿霊泉
この神社で行われた雨ごいの際湧き出た泉は泉殿霊泉と言われていました。この霊泉の水質を調べるためドイツのミュンヘンへと運びます。その結果、ビール醸造に最適なものとされたため、今のアサヒビール吹田工場の前身、大阪麦酒の工場が建てられたそうです。泉自体は昭和30年代に枯れてしまったそうですが、今もこの神社のシンボルとして、また御神徳を象徴するパワースポットとして、その遺構が残されています。
立柱祭 元柱
大阪万博がまた2025年にあるそうですが、この元柱が活躍したのは前回昭和45年(1970年)。この柱は万博会場建設に先立ち、建造が開始される昭和42年、地鎮祭の時に祭儀で使用されたんだとか。その甲斐あって万博は大盛況の中終了し、今もその歴史を記しているという訳です。
御朱印
御朱印は本殿向かって右の社務所にていただけます。菊紋の中心が三つ巴と織田木瓜があしらわれていて、とてもお洒落。
アクセス
- 住 所:〒564-0071 大阪府吹田市西の庄町10−1
- 駐車場:あり
大阪府吹田市内府道14号線『西の庄町』交差点南東角。境内駐車場有。
まとめ
今回はこれで以上です。
湧出する泉は残念ながら見る事は出来ませんが、泉の跡から湧出していた頃の不思議な力強さが感じられる場所です。
吹田のビール工場、大学時代の僕にとってこの付近はそこそこ臭い思い出しかないんですが、ビール発酵の臭いなのである程度は仕方がありません、最悪鼻つまんで歩けばどうという事はないし境内まで臭ってくることはありません、安心してご参拝して下さい。