京都の夏の料理といえばハモやそうめん、鮎の塩焼きなど四条・三条や貴船の床で食べたくなりますが、実のところひとっつも京都で取れるものはありません。いわばエセ京都食材なんです。
別にええないか☆
そんな中で唯一夏を感じる京都で穫れる食材、それが賀茂茄子。旬と生産地の近さだけあって、お手頃価格で手に入ったので今日は茄子三昧で夏を楽しみたいと思います。
賀茂茄子
賀茂茄子って普通の茄子とどう違うの?
って思う人もいるかもしれませんが、茄子の一品種です。他のエセ京都食材と違い
しつこい!!
賀茂茄子は数少ない京都名産の京都の伝統野菜の一つに数えられる食材です。
主な生産地は京都市の上賀茂、亀岡、綾部市、この三つで実に全体の70%を占める他ではあまり例を見ない京都がシェアトップを誇る食材。
普通の茄子に空気を吹き込んだようなまん丸のフォルムが特徴的で、そのパンパンの見た目通り皮は薄く傷つきやすいので、もしかしたら他府県のスーパーではあまり見かけないかもしれません。
おすすめ茄子料理
今回は賀茂茄子の他に小茄子も用意しました。せっかくなので、今回は茄子料理のみで食卓を飾ってみます。
茄子田楽
賀茂茄子の定番料理の一つです。一切れの大きさから普通の茄子で作るより食べごたえを感じられるのがその特性です。
まずは輪切りに、水に浸してアク抜き。その後にフライパンで火を通していきます。こってりしたのが好きな方はバターで、下味に醤油を垂らしても香ばしく焼くことができます。
食感を残したい方は弱火でじっくり焼くだけ、当家のように小さい子がいる家庭は日本酒で蒸し焼きにすると皮まで柔らかく仕上がります。
白いのが柚子味噌、茶色が胡麻味噌。全く別の料理を食べているようで、どちらも意味がわかんないくらい日本酒に合います。
おっちゃんは枝豆でもポテトフライでも同じこと言うよね☆
残念ながら柚子味噌も胡麻味噌も一切子供は口にしてくれません。作りがいがないのですが、ミートソースを作って上からチーズをかぶせてラザニア風にするとびっくりするくらいよく食べてくれます。
もう、それ別の料理。。。☆
茄子の冷や汁
別に味噌汁でも良いんですが、湿度100%の日が続く今日このごろ。温度20℃を超えるものはできれば口にしたくありません。
毎日食ってるラーメンは?
あれは予算の関係上他の選択肢がないだけです。
そんな時に便利なのが冷や汁。宮崎・埼玉でも食べられているそうですが、個人的に印象が強いのが山形県米沢市の郷土料理としての冷や汁。というのも古くは上杉謙信が陣中食として用いられていたというエピソードがあるので印象的だったんです。
冷や汁は言ってみればおすましの冷やした版。というわけで作り方もとってもシンプル。まず食べやすい大きさに切った茄子、ほか野菜や海鮮など滋味豊かな食材を放り込んだおすましを作ります。多めに作ればこれはこれで晩御飯のおすましになります。
これを一晩寝かせて、御飯の上からかけます。冷ご飯を用いる方が美味しいですが、一晩しっかり冷やせばあったかいご飯でも十分ひんやりと食べることができます。
今回急遽思い立って作ったので具はシンプルなものですが、実際には貝柱やしいたけなどの乾物を使い、その出汁を余すところ無く汁に浸透させるのが本場の作り方らしいです。つまり具を入れれば入れるほど美味しいという素晴らしい料理。上杉謙信に心からありがとうと言いたくなる一品です。
小茄子の煮浸し(冷やしバージョン)
これも茄子の定番料理の一つ。暖かくしても冷たくしても食べられる四季万能のメニューです。こちらもまずは茄子のアク抜き、切り目を多めに入れておくと早めにアクが抜け、また味がよく染み込み美味しくできます。
これをまずは軽く炒めます。下味は塩コショウのみで十分。塩気をなじませれば、より茄子がしんなりして後々茄子に味が染み込みやすくなります。
少しピリ辛にしたい時は唐辛子・にんにくと一緒に炒め直します。付け合せは自己主張の少ない食材の方が合います。今回はマッシュルームを使用。
鍋を移して、しょうゆ・みりん・お酒で煮ます。煮汁が半分くらいに飛ぶまで煮詰めていきます。あとは一晩冷蔵庫で冷やして完成。
そのまま食べても食べられるんですが、味が濃くなりすぎるので煮汁をしっかりと切って、代わりにめんつゆにつけて、もしくは昆布ポン酢辺りでもさっぱりと食べられます。身は柔らかく、しつこくならないようにベースの味はつけ汁で、じっくりと煮詰めれば煮詰めるほど噛んだときの味わいが豊かで味わい深いものになります。
まとめ
今回はこれで以上です。
茄子料理といえば麻婆茄子や、焼き茄子など色んな料理があるものの、茄子自体の味をたっぷりと感じられる料理、かつ日本酒にを選んでみました。
除湿機は一晩で満タンになり、エアコンは付けているのになぜか暑いという湿気たっぷりな日が毎日毎日続きます。暑いのはどうしようもないので、せめて涼やかな料理と日本酒でむしろ夏を楽しんでいきましょう。