神社へのご参拝の際、何を求めますか。ご利益やパワースポットといったものがよく取り沙汰されますが、純粋に静寂に包まれた境内独特の雰囲気、そんなものを求める方も決して少なくないのではないでしょうか。
今回はそこまで知名度は高くなく、また遠方まで伝え聞くようなご利益を求めて人が殺到している神社でもありません。ただ、そこに居るだけでその雰囲気に癒やされる、いわば癒やしの穴場パワースポット『香良洲神社』に一礼。
神社概要
神社があるのは三重県津市
この神社があるのは津ギョウザで最近知名度急上昇中の三重県津市。
雲出川と言う、奈良県との県境辺りから津市を東西にずっと流れ、最終的に伊勢湾へと繋がる川があります。この神社は雲出川が伊勢湾手前で雲出川と雲出古川の二手に別れたちょうど間、三角州のような場所にあります。
この辺りは『香良洲町』といい、後述の通り神社創建の頃には地名の『香良洲』という名前は存在していたことからも、この地域の歴史の深さが窺えます☆
創建の歴史など
この神社の創建はとても古く奈良・飛鳥時代まで遡ります。
ここから東にある香良洲の浜に夜ごと御神火が現れるので、住民はそれを祟りだと恐れおののきます。それを聞いた一志直青木という人が祈りを捧げ、神様にお伺いします。
すると稚日女命のお告げがあり、それに基づきこのお社は創建されたとされています。
御祭神
この神社の御祭神は一柱。
- 稚日女命(わかひるめのみこと)
天照大御神の妹神とも御子ともされる神様。機織りをしていた時、素戔嗚命(すさのおのみこと)が機織り場に馬の皮を逆剥ぎにして投げ込んだ際、びっくりして梭(ひ。機織りのときに糸を通す道具)で体を傷つけて亡くなってしまった神様。
いうなれば天岩戸お隠れ事件の発端となった被害者に当たる神様ですね☆
亡くなったとされながらも、その後のお話に度々登場します。
神功皇后が三韓征伐の帰りに大阪で海が荒れた際に『自分を生田神社の場所にお祀りしてほしい』と神託、言う通りにした皇后を無事大阪へ導いた神様として活躍したり、ちょっと不思議な神様です。
ご利益
この神様のご神格は
- 機織の神さま
- 祈雨の神さま
どちらもこの神さまにまつわるエピソードとぴったり合致するもの。なので、その御利益は祈雨・五穀豊穣(商売繁盛)、そのほか健康長寿や疫病除、縁結び、子宝安産と割と万能な神さまという性格を併せ持ちます。
五穀豊穣が時代の変遷とともに商売繁盛を兼ねていくのはよく聞くお話です☆
アクセスほか
住 所:〒514-0315 三重県津市香良洲町3675−1
駐車場:神社入り口にあり。
境内散策
ここは海沿いの神社なんですが、この境内には森のように木々が溢れていて静寂な雰囲気に包まれています。
御正殿
鳥居から参道をまっすぐに進むとその奥に見えてくるのがこのご拝殿。
この白布一つ隔てた奥にあるのが御正殿。この雰囲気は伊勢神宮内宮と似ています。
今は内宮参って外宮参らずは片参りと言われますが、昔は伊勢神宮をお参りしてこの香良洲神社をお参りしないことを片参りと言われたほどに、伊勢神宮との所縁がある神社とされています。
稲荷社
御正殿の右脇に鎮座するのがこの稲荷社。
お社の前には、金の皿と文鎮。お願いごとの際にはここに宝くじや受験票を置いて、祈願するそうです。
まとめ
今回はこれで以上です。
この神社はあまりパワースポットなどの記述は聞きませんが、冒頭にも書いた通り境内に居るだけで癒やされる不思議な感覚を味わう事ができます。天照大御神のお膝元で、その系譜の神さまのご神徳に思う存分與ってみて下さい。