今回は奈良県にあるお寺さん『九品寺』のご紹介です。
『葛城古道』という御所市、葛城市辺りを南北に通る歴史と自然散策に最適な道沿いにある寺院なんですが、境内近くの彼岸花の群生地がすごいんです。
では、今回は九品寺に一礼。
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寺院概要
このお寺があるのは奈良県御所市にあります。葛城古道と言って、葛城山の山裾に南北へ通る道があるんですが、この道はこの九品寺だけでなく葛城一言主神社や、高鴨神社など、史跡・名所が点在していて、また西にずっと続く葛城山を見やりながら自然と常に触れ合えるロケーション抜群な道です。
九品寺は奈良時代、行基によって開かれた浄土宗の寺院です。行基は聖武天皇時代、東大寺の大仏造営に尽力した人物。
『九品寺』というのは人間の品格を表す『九品』から来ているんだとか。上品とか下品って言いますよね、あれです。
上品・中品・下品の三種に上品の中の上品、要は上の上とでも言えばいいんでしょうか。
うな重みたいね☆
上の上から上の中、上の下と言った具合に全部で9つに分けて九品と呼び、この寺の名前はそこから来ているんだとか。
境内散策
本堂
山門をくぐり、階段を登ればすぐに本堂が見えてきます。
彼岸花
お寺の周りに拡がるのはのどかな田園地帯なんですが、そこにはこの一帯で一番の見どころ『彼岸花の群生地』があります。
一面に広がる深紅の花畑はもう幻想そのもの。彼岸花ほど色が濃い花も珍しく現実にある風景のように感じられません。
彼岸花はお彼岸の頃に咲く花のが名前の由来だそうですが、曼殊沙華とも呼ばれ、いずれにせよ仏教観に通じるところが多い花です。
最近この花をよく見た記憶があるのはこのせいでしょう。
コスモス
彼岸花の群生の横に拡がるもう一つの見どころとしてコスモス畑も広がっています。
どちらも初秋に見ごろを迎える花たちなので、同時に楽しめる場所と言う意味ではここだけかもしれません。
千体地蔵
本堂裏は、細い小道が続いているんですが、その先の道々にはずらりと仏様の列が。
終点にも沢山の仏様が。九品寺の千体仏というやつです。前垂れがあるので地蔵仏様というのが正確な言い方でしょうか。
九品寺には千体仏というものがあるんですが、これはこの辺りから興った大和武士『楢原氏』が南北朝争乱の際、出陣時に自分たちの身代わりにと石仏を彫って九品寺に奉納したものと言われています。武士の覚悟っていうやつですね。
今回個人的に一番のお気に入りのショットがこちら。
アクセス
- 住 所:〒639-2313 奈良県御所市楢原1188
- 駐車場:あり
奈良県御所市内県道30号線『楢原南』交差点を西へ。駐車場多数あり。彼岸花シーズンは観光客が多いですが、止めれないほどではありません。
まとめと拡散してほしいお話
今回はこれで以上です。
彼岸花は元々毒草の為、農害の動物除けに植えられていたりと、この時期寺社仏閣に限らず全国各地で見る事は可能です。ただ、これだけ群生している場所というのは他に数えるほどしかありません。
地面一帯を赤で埋め尽くす彼岸花はいい感じに表現する言葉が見つからないほど綺麗です、奈良に行くなら是非押さえてほしいポイントです。
あと、もう一つこの九品寺を巡っては近年問題になっているのが観光客だそうです。勿論、僕も観光客の一人やし、観光客全員くんな!!って言っている訳ではありません。
群生地の手前部分を見て頂きたいんですが、多分踏まれてなぎ倒されています。手前からでも十分綺麗な画像が一杯撮れるのに、最近SNSなどの普及で観光客が増えて、それにつれてマナーの悪い方も来るそうで、それが目に余るという事で地元の方々の間では問題になっているんだとか。
彼岸花にどれだけの咲かせるための世話がいるのか、わかる由もありませんが、少なくとも勝手に咲いて、周りの雑草が勝手に枯れてくれることはないでしょう。
今回訪問した際にもマナーが悪く、群生の中にずかずかと足を踏み入れしきりにスマホ片手にシャッターを押している人がいました、そんなマナーの悪い人はわずかですが。
そして大部分の常識ある人に注意されると踏み入るのをやめて戻ってきます。けど、踏まれて倒れた彼岸花が元気に復活する事はありません。
そして、彼岸花は踏み荒らされてしまうと次の年、根が腐ってしまい花をつけなくなってしまう事もあるんだとか。
僕もそうでしたが、今年初めて見たこの夢の様な光景はずっと思い出に残りますし、出来れば来年も再来年も見たいし、そして多くの人が見てこの感動を得てほしいと思います。それが一部の方の無自覚(悪意ではないと思います。)によって、失われてしまうのはあまりに悲しい事です、この事を多くの人に知ってもらいたいと考えます。