今回は京都市山科区にある『折上稲荷神社』のご紹介。
あらこんなところにお稲荷さんと言いたくなるほどひっそりとした路地に面した静かな神社ですが、実はその歴史も由緒もすごいパワースポットで、女性の守り神として有名な神社です。では折上稲荷神社に一礼。
神社概要
どこにあるの?
この神社があるのは京都市山科区。昔は稲荷山に阻まれて伏見と分断されていたんですが、トンネルが出来て俄然交通の便が良くなった新十条通。神社へはこの新十条通の路地を一本北に折れた先にこの立派な鳥居が見えてきます。
女性の守り神として有名なだけあって、祭事のない普通の休日でもそこそこの参拝客がいるものの、大通りから少し隔てているので境内は割と静か。
御由緒
この神社、何気ないように見えて実は創建はとても古く711年に遡ります。境内の稲荷塚がその前身としてお祀りされるようになったのは更に古く1500年の歴史を数えるんだとか。
元々はお稲荷さんの祖先神(田の神)がお祀りされていたとされる聖地で、711年になって伏見稲荷大社と共に稲荷神をお祀りする最古の稲荷神社とされている神社です。
社殿造営は伏見稲荷と同時期、伏見稲荷の奥宮とされている神社でもあります。
『レイライン』と言って、聖地と聖地が一直線に結ばれた稀に見る構造をしているので、伏見稲荷大社よりも強いご利益が得られる場所として知る人ぞ知るパワースポットとされています☆
働く女性の守り神
この神社の御祭神は三柱。
- 倉稲魂神 (ウカノミタマノカミ)
- 保食神 (ウケモチノカミ)
- 稚産霊神 (ワクムスビノカミ)
いずれも五穀豊穣の神様とされている神様であるほか、この神社は働く女性の守り神ともされています。
いわれは江戸時代末期の事、孝明天皇ご即位の際に仕える女官が相次いで病気になったので、この神社に御祈祷の命が下ります。するとたちどころに女官たちが快復した事がこの神社が働く女性の守り神と言われる由縁です。当時は、『折神稲荷様のご利益は折り紙付き』と言われるほどの活況を博したとされています。
この時孝明天皇は女官たちの快復を慶び、この神社に長命箸を奉納されたんだとか☆
それ以来、この神社は今も働く女性の守り神として厚い信仰を集めることになったほか、J・P・モルガンの甥と結婚した芸者『モルガンお雪』さんにあやかって、女性の商売繁盛、女性の金運・開運祈願の神社としても有名になったという事です。
境内散策
この神社、境内はそんなに広くはないんですが随所にパワースポットが散りばめられています。一応神社推奨の参拝順序が決まっています。全部で30か所以上あるので、今回は要所要所だけご紹介。
社殿
鳥居をくぐってまっすぐ奥に見えるのがこの神社の社殿です。工事中の様子。
稲荷塚
ご拝殿よりも目がいってしまう社殿が造営される前からお稲荷さんをお祀りしていたという稲荷塚。伏見稲荷大社と共にこの地に稲荷大神が降臨されたという地もここです。
何だか古墳みたいな形と思っていたらどうやら本当に古墳でした。
『中臣群集塚古墳』という円墳で造営当時13基あったそうですが、他の12基は宅地造成の過程で取り壊され、現存する最後の一基と言う事のようです。
山上には稲荷大神の鳥居と五柱の神様をお祀りする五社殿があります。
三九郎稲荷神社
ここにお祀りされているのは稲荷大神のお使い三頭の白きつねさん。
苦労してこの地に辿り着いた三頭の狐をお祀りする神社=三九郎稲荷神社と言う訳。
この神社は人間が生きる上での三大苦労(人間関係・健康・お金)を除いてくれる神様とされています。
お稲荷さんの授け知恵
稲荷塚の裾にある一際目を惹く木の瘤。
人間の脳みそに似ているちょっとグロ独特な木の瘤で『お稲荷様の授け知恵(脳)』と言われます。撫でる箇所によって脳に関する悩みやご利益があるとされている有難い瘤です。
札辻大明神・白弁財天社
稲荷塚向かって右手にあるのが札辻大明神、白弁財天様のお社があります。
特に注釈はありませんが、白蛇は弁天様のお使いとされていて弁天様も白蛇も金運・財運のご利益があるとされています。希望の方はしっかりとお参りしておきましょう。
モルガンお雪の塚
この神社を女性の商売繁盛、開運のお社としている象徴ともいえるのがこの塚。
JPモルガンと言えば今でも世界に名前が知られる金融機関ですが、19世紀から20世紀にかけてその前身を築いたモルガン財閥の創始者です。
その甥っ子を当時あまり良い扱いを受けていたとは言えない芸妓が射止めたという事でモルガンお雪の名前と共にこの神社を一躍にした人をお祀りした塚です。
玉の輿を希望する方、他は忘れてもここへのお参りは忘れずに。
他も忘れたらあかんよ~☆
寶(たから)大神
株・宝くじ・賭け事の祈願の為のお社です。
男性諸君、ここは女性だけの海運スポットではありません。むしろご利益を見ての通りむしろ男性の欲望振り全開のお社です。思う存分祈っておきましょう。
解釈に曲解が見受けられます☆
裏参りの御座
この神社の巡り順としては稲荷塚を中心に概ね反時計回りをする様にされていますが、丁度稲荷塚の裏側にあるのがこの『裏参りの御座』。
昔、『裏参り』をして大きな成功を収めた人がいたんですが、その人は他の人が成功を収める事を良しとしない腐った人だったらしく、この場所へお参りできないように柵をしてしまったそうなんですが、その途端この人は天罰が下ってしまったんだとか。で、反省した柵を作った人はこの裏参りを多くの人に勧め、その結果多くの成功者を産み出した場所なんだとか。
アクセス
- 住 所:〒607-8305 京都府京都市山科区西野山中臣町25
- 駐車場:あり。
京都市山科区内新十条通『折神神社前』を北へ。境内駐車場有。
まとめ
今回はこれで以上です。
伏見稲荷大社は外国人にしてみれば日本一、二を争うような観光スポットですが、ご利益ではむしろ上回るとされるこの神社。その立地からどうしても知名度では一歩遅れるところかもしれませんが、伏見稲荷大社を上回るとされるそのご利益、特に女性諸氏。
京都観光でこの神社、覚えておいて損はありません。