今回は京都にあるお寺『龍安寺』さんのご紹介です。
京都のお寺の楽しみ、それは桜や紅葉など季節を愛でるものが代表的です。今回の龍安寺さんも境内入り口の石段が真っ赤に染まるフォトジェニックな場所としても有名。
ですが、そんな龍安寺のもう一つの楽しみ方、それが石庭です。季節を問わず、というか季節ごとに少しずつ違う姿を以て魅せてくれる庭園。
今回はそんな石庭で有名な龍安寺に一礼。
寺院概要
京都立命館大学の少し西
このお寺があるのは京都北の山裾とでも呼べばよいのでしょうか、ちょっと徒歩などではたどり着きにくい場所にあります。京都は神社仏閣は普通に町中に点在していて、駅直結に近いものまであるんですが、一方でこういった山の中としか表現しようのない場所にもあるんです。
ずっと続く山道を進んだ先にあるので、言い表しようがないんですが、敢えて目印を上げるなら立命館大学衣笠キャンパスから西へ行った先にあります。
境内の庭園を愛でるお寺
衣笠山という山の山裾に広がるというか、山全体が境内のようなお寺なので豊かな自然に恵まれた境内が魅力的。秋に紅葉はもちろんですが、石庭と一緒に愛でる桜や庭園内に作られた藤棚なんかでも有名です。
当たり前ですが、これらは全部いっときのシーズン中でなければ見ることは出来ないんですが、何はなくても緑とそして苔がきれいで、それだけでも見て回る価値が見いだせる、そんなお寺になっています。
寺院創始
- 山 号:大雲山
- 建立時期:1450年
- 宗 派:臨済宗妙心寺派
室町時代、当時足利政権の要職にあった細川勝元によって建立されたのが興りとされています。この土地はその当時円融寺という寺領内にあって、このお寺も建立当初はその境内にあるお寺の一つという扱われ方だったんですが、円融寺は徐々に衰退していきこのお寺だけが残った格好になります。
応仁の乱の戦火に巻き込まれて一時焼失。洛中へその寺基を遷されたこともありましたが、勝元の子政元の手によって程なくしてこの場所へ戻ってきています。石庭が造られたのもこの時期。
派手な伽藍などといった見どころはありませんが、石庭など静かに鑑賞することで自分との対話をする為にあるような場所、それがこの龍安寺です。
アクセスなど
- 住 所:〒616-8001 京都府京都市右京区龍安寺御陵ノ下町13
- 駐車場:あり
- 拝観時間:3月1日~11月30日 8:00a.m – 5:00p.m.
12月1日~2月末日 8:30a.m – 4:30p.m. - 拝観料:大人500円、小中学生300円
郊外とはいえ金にがめつい京都の観光地で駐車場が無料なのはちょっと驚き。
境内散策
本堂と石庭
この寺院の見どころは境内のちょうど中心にあります。因みにここも紅葉時は石段一面を落葉が真っ赤に染める映えスポットとして人気の高い場所。
入ってすぐにあるのが石庭です。正しくは方丈庭園といいます。
色は白砂と黒石、それに少しの苔という淡い色彩で表現された幅25m、奥行き10mに色んなものが詰め込まれた空間です。自分との対話をする禅宗における極められた美の終着の一つの形といってよいのかも知れません。
年中同じ様に見えて実は季節ごとにその表情を変えるのがこの石庭のもう一つの姿。
例えば冬はこんな感じ。
また、堂内はぐるりと巡ることが出来ます。襖絵は色合いに派手なものがなく、白と黒のみで描かれた水墨画調の絵が多いのも特徴的です。
石庭ばかりに目を奪われがちですが、石庭の裏にあるつくばいも有名です。
上下左右にある文字はそれだけでは読むことすら難しいですが、それぞれに口を足して読むと、吾唯足知(ワレタダタルヲシル)となる、禅の教えを謎解きにしたものです。
鏡容池と弁天島
境内は本堂を含め、外周をぐるりと巡るように造られています。それは真ん中に『鏡容池』があるため。
その真ん中には弁天島と
納骨堂
御本堂から少し進んだあたりに白い建物が見えてきます。納骨堂です。
その傍らに立つのがパゴダ。これはミャンマーなどで見られる仏塔にあたるようです。
これは第二次大戦時、激戦地となったビルマでなくなった多くの戦死者を偲んで建てられたんだとか。
紅葉
龍安寺といえば、石庭とともにやっぱり外せないのがこの紅葉。入口の門をくぐった先から
鏡容池とともに
勿論、石庭とともに見る紅葉も綺麗。
そのほかの紅葉についてはこちらからどうぞ。ちょうど見ごろ。
御朱印
2020年10月現在書置きのみ。なかなか豪快な書きぶりです。
まとめ
今回はこれで以上です。
園内の周回はだいたいゆっくり歩いて20分~30分といったところ、石庭には落ち着いて庭を眺められるよう縁側が設けられています。
皆さん心安らかに足を投げ出しぼーっとお庭の鑑賞というのも時の流れを忘れる事ができる良い時間の過ごし方かもしれません。
ちょっと禅の教えに触れることが出来るお寺、龍安寺でした。