熊野詣といえば、熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社の三社、つまり熊野三山をお参りするものと言われていますが、熊野詣には、実はもう一つある熊野奥の宮と呼ばれる場所があります。それが今回の玉置神社です。
神様に呼ばれた人だけがたどり着ける神社、それが玉置神社。僕のご参拝経験は二度ですが、人によっては急用が出来たり、体調を崩したりと言うことでご参拝が出来ないそうで、そんなご縁がなければご参拝ができない神社として関西でも屈指のパワースポットとされている神社。では今回は玉置神社に一礼。
神社概要
一応、奈良県十津川村にあります。他アクセスなど
この神社があるのは奈良県の十津川村。以前当ブログで紹介した谷瀬の吊り橋がある村として有名。
一応、所属としては十津川村になるはずなんですが、場所の解説がちょっと難しい。というのはグーグルマップで表示してみるとわかります。
見ての通り周りは全部山、これ以上アップにするとマップが真っ白になってしまう、そんなたどり着くこと自体大変な場所にこの神社はあります。
- 住 所:〒647-1582 奈良県吉野郡十津川村玉置1
- 駐車場:参道入口に数十台分あり。
ここに昔は麓から全部徒歩でご参拝していた事を思うとゾッとします。目立った目印もなし、途中村もなく、ちゃんとした道もなし。勿論街灯もなし、たどり着かないというと到達出来ずに帰ってきたみたいなマイルドな風に捉えてしまいそうですが、徒歩でたどり着けない=遭難ということになっていただろうことを考えると、昔の人はここに文字通り命がけでご参拝していたものと考えます。
ちなみに麓の十津川村から徒歩でご参拝するとした場合、2時間半ほどかかるそうです☆
現在でこそ麓の駐車場まで車で行ける上、ナビ頼りでたどり着くことが出来ないということはなくなっただろうものの、到達+参拝でゆうに半日かかる為、どうしても行きたい!そう思う人でなければたどり着くことが出来ない場所な事は今も変わりありません。
創建の歴史
この神社の創建は諸説あるものの、一番古いもので第10代崇神天皇の頃とされています。今も現存する境内社の一つ玉石社には初代神武天皇が東征の折りに、この社の石の上に神宝を置いて勝利祈願をしたとされていることから、この場所が神聖視されていたことが窺えます。
神社入り口から見下ろした山々の光景です。神々が住まう山と言われても納得してしまいますね☆
元々この山を含めた吉野から南の山々一帯は修験場とされ、役小角や弘法大師も左記の玉石社を訪れたとされていますが、熊野三山の奥宮として広く人々に知られるようになったのは江戸時代に入ってからと言われています。
御祭神・ご利益
- 国常立尊(くにとこたちのみこと)
天地開闢の始神と一柱とされる神様です。
- 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)
- 伊弉冊尊(いざなみのみこと)
- 天照大御神(あまてらすおおみかみ)
- 神日本磐余彦尊(かむやまといわれひこのみこと)
伊邪那岐・伊弉冊は天照大御神の両親にあたり、神武天皇は天照大御神の子孫にあたる為、この神社では初代天皇家のルーツをずっと辿り、お祀りしている神社と言って差し支えないでしょう。
ご利益は悪霊退散、そして恋愛成就。
悪霊退散はこの神社そもそものご創建目的でもあり、効果はお墨付き。
恋愛成就は最近(といっても結構前ですが)長いこと結婚しないことで有名な俳優『福山雅治』さんを射止めた吹石一恵さんのご縁を結びつけたという実績から参拝者が急増。そこら辺に福山さんが落ちている事は無いだろうものの、良縁を求める特に女性から絶大な支持を受けるようになった神社です。
境内散策
境内のマップはこんな感じ。
玉置山という山の一帯全てを境内地としていて、その九合目に神社があるのでアクセスには相当時間を要するものと予め考えておいたほうが良いでしょう。
参道入り口は絶景が
この神社、参道入口までは車でアクセスが可能で、歩くことこそ不要ですがその道は細く険しい。そして全部上り坂が続きます。それだけにひとたび開けた場所に出れば、そこには目を奪われる絶景が広がります。
ここからの参道は基本徒歩で巡ることとなるので、体力に自信のない方はここで山々を眺めながら露店を楽しんでいても良いかも知れません。
参道の右手は崖、左手には相当な樹齢の木々が広がります
入り口鳥居をくぐるとそこからはずっと徒歩。
砂利道ながらこんなものっすごい山奥ですが、それなりに整備が行き届いている辺り、如何に信奉者が多いかということが見て取れます。
御本殿・拝殿
長く続くこの参道をひた進むこと約20分というところですが、社殿と石段が見えてきたらそれがゴール。この神社の御本殿です。
石段を登りきった先にあるのがこの神社のご拝殿。年季の入った社殿は流石としか言いようがありません。
夫婦杉・神代杉
この神社は山々に囲まれた奥地にあるので、そこに生えている木も樹齢を数えれば100年単位になろうかというほどのものばかりなんですが、その中でもこの神社を代表する杉の木が二本あります。それが本殿裏にある夫婦杉と
境内を少し下った先にある神代杉
特に神代杉の方は幹も太く、天高く伸びる様は高さをはっきり見て取れないほど。
杉の木を見るとつい、トトロのところに行ける穴を探してしまうところですが
ええ年で何いってんだ☆
ちょっと我慢してもらうなら、この杉にはトトロがそのまま住めそうです。
御朱印と御朱印帳
御朱印は本殿横にある社務所にて頂けます。
摂社
出雲大社分院
ここが最近人気急上昇のスポット『出雲大社分院』です。
明治時代、神仏分離の流れの中で建立されたお社で、勧請を受けた本家出雲大社は縁結びのメッカとも言える神社。この神社も縁結びにご利益ありとされる場所だったんですが、最近福山雅治・吹石一恵夫婦誕生のご縁の元となったということで、俄然注目を浴びるようになった神社でもあります。
三柱神社
別名稲荷神社とされるお稲荷さん三柱をお祀りする神社。
ここからは登山になります
さて、玉置神社には奥へ続く道があり、最終1067mの山頂まで道は続いています。帰りは山頂を経由して玉置神社へ戻ることなく帰る道もあるので、ご自身の体力などとご相談の上決定してください。
山頂までは約20分。
ただし、ここからの道は今までの参道と違い全て山道で、こんな道がずっと続きます。
体力との相談は入念に行ってください。
途中で登れなくなった時は下るにも結構な体力を要します。その上民家とは完全に隔絶された地域で、普通に遭難できるレベルです。くれぐれも無理はしないでください☆
玉石社
元々この神社のルーツともなった場所です。
その名の通り玉砂利が敷き詰めてある中に入ることは出来ません。
社殿というものはなく、この奥にちょっとだけ見える玉石をご神体として礼拝する方式が今もとられています。この石が太古から存在し、神武天皇や弘法大師と同じ風景を見ている、この場所の神聖さがご理解頂けるでしょうか。
玉置山山頂
玉石社から更に山道を登り続けるとたどり着くこの山の山頂。
山頂の目印がある他は特に眼下を見下ろせるわけでもなく、見た目にはがっかりな部分も多少ありますが、それでもどうせ登るなら山頂は目指して損はありません。
まとめ
今回はこれで以上です。
熊野三山とともにこの神社は謎が多い神社ではあるものの、その歴史のふるさと昔から多くの人に信仰されてきたのは確か。熊野詣の一社と数えていいかどうかは解釈によりますが、熊野にパワーを求めて訪れるならぜひとも押さえておきたい場所の一社です。