今回は桜の名所としても名高い大阪の天王寺公園をご紹介です。
大阪南のランドマーク『通天閣』がある界隈で、広大なエリアには100年以上の歴史を持ち、今でも大人気の『天王寺動物園』があったり、『大阪冬の陣・夏の陣』でそれぞれ東西両軍が一度ずつ布陣したという世にも珍しい『茶臼山』があったり、勿論桜の名所でもあったりと見どころ満載の公園だったりします。今回はそんな天王寺公園をレポートしていきます。
公園概要
公園があるのは大阪環状線天王寺駅前
この公園があるのは大阪府大阪市。環状線南側一番の繁華街『天王寺』駅前で、最近はあべのハルカスが出来たため、市内全域どこにいても天王寺の方向がわかるようになりました。一方で旧ランドマーク『通天閣』は今でも大阪人が大好きなシンボルとして未だ健在。
その膝下には昭和の時代にタイムスリップしたかのような古い町並みが広がっているというモダンなのかレトロなのかイマイチよくわからないそんな街の中心にあるのがこの公園です。
公園を中心に『堀越神社』、『一心寺』、『四天王寺』、『安居神社』などいずれも徒歩圏内に名所が点在しているので、公園散策をする際には是非一気に見て回ることをおすすめします☆
公園マップ・住所・駐車場など
アテもなく歩いていると本当に疲れるので、訪れたいエリアを予め決めてから散策することをおすすめします。
- 営業時間:7時00分~22時00分
- 住 所:〒543-0063 大阪府大阪市天王寺区茶臼山町5−55
- 駐車場
有り。公園周辺に大小コインパーキングはあるものの総じて高いです。『ファミリーマート 天王寺公園茶臼山店』奥にある駐車場が200円/20分と周りに比べて比較的安価。それでも一日最大料金が平日で1,000円、土日祝なら2,000円とかなり高額設定になっているので、行ってみて空いていないかもしれないことも考え合わせると電車でのご訪問、もしくは大和路線のマイナーな駅前駐車場を利用するのが利口かもしれません。
広大な敷地の公園には動物園と史跡と美術館と庭園があります
天王寺公園の敷地はあまりに広大、総面積28万㎡という広大な敷地には動物園や芝生公園、美術館に庭園、はては大阪の陣の史跡まで揃えるという色んな意味で優秀な施設と言えます。今回は新型コロナの関係上、人の密集が予想されるエリアは避けてご紹介していきます。
桜は園内随所で鑑賞可能
桜の名所としても名高い天王寺公園ですが、園内随所で咲き乱れる桜を鑑賞することが出来ます。
桜の見所としては主に四ヶ所。
茶臼山ゲート付近
公園北東にある茶臼山に繋がる裾の部分。石畳の遊歩道や、本来ならシートを広げて寛げる芝生なんかもあって、お花見にはうってつけのスペースです。
河底池周囲
茶臼山から朱色が印象的な和気橋や茶臼山の壕のような役割を担っていたと思われる河底池も周囲を覆うように桜が植えられていて、桜を愛でるスポットとして人気。
大阪市立美術館周辺
100年もの歴史を持つ荘厳な建物の大阪市立美術館、エントランスから西に向かう『新世界ゲート』へ抜ける道は桜のある・なしに関わらず、見応えあり。
エントランス両脇に広がる桜並木が見どころです。
慶沢園内
有料エリアの庭園です。
元々は住友財閥の茶臼山本邸庭園として1918年に造られましたが、住友本拠が神戸に移ることを受け、茶臼山とともに住友家➡大阪市に寄付されます。
造園に10年費やされた広大な庭園は桜も見事ですが、庭園自体の見応えも十分。
茶臼山古墳
古墳なの?山なの?
公園北東部にある小高い丘のような山とも古墳ともされる場所です。
昔から『古墳』として伝承された為古墳とされるものの、昭和61年に入念な発掘調査がなされたものの埴輪や埋葬品などは全く発見されなかったそうで以来、ここ古墳じゃないんじゃね?説も有力視されているという不思議スポット。
表高26mとはいえ立派に山として認定されている為、最寄りのお寺『一心寺』では希望者に『登頂証明書』まで発行してくれるんだとか。
大阪の陣では交互に東西軍が布陣
大阪城の攻防を巡る二度の大戦『大阪冬の陣』と『大阪夏の陣』。この茶臼山は両方の戦でそれぞれが拠点を築かれたという珍しい場所でもあります。
大阪冬の陣では徳川方が布陣
まず、大阪冬の陣では徳川家康が本陣をおいた場所として知られています。
一見すると完全包囲する徳川方の圧勝のように見えますが、この頃まだ外堀も健在の堅牢な大阪城に攻めあぐね、大河ドラマ『真田丸』でも有名な諸戦圧勝の甲斐もあって、徳川方は和議を模索。もとの総力差もあるので表向きは痛み分けのような形をとっているものの、兵損などを考慮すると徳川ボロ負けと言っても良い結果に終わっています。
大阪夏の陣では豊臣方が布陣
大阪夏の陣では打って変わって豊臣方がこの茶臼山に布陣しました。
冬の陣とわずか半年しか経っていないのに、 ぜんぜん違う場所のように見えますが、全く同じ場所の地図です。明確に違うのは南側の堀が全部なくなってる事。
冬の陣の和議の条件として『外堀を埋める事』とした徳川は、半年の間に外堀だけでなく約定になかった内堀も埋めてしまい、南側から攻められ放題になる為、籠城作戦が取れなくなってしまった豊臣方は城を出て茶臼山を中心に布陣することとしました。
この時に茶臼山に布陣したのが真田幸村(信繁)、大阪方5万5千に対し徳川方15万という絶望的兵力差のこの戦においても、豊臣勢は真田軍を中心とした一点集中の突撃により徳川勢を各個撃破、大混乱の最中に徳川家康は切腹すら覚悟したものの、次第に戦局は徳川方に傾き、結果、豊臣方は大敗を喫したとされています。
茶臼山には真田幸村の残した名言の立て札なども立てられていて、当時の様子が偲ばれます。
まとめ
今回はこれで以上です。
ご紹介した他にも芝生の公園で自由に遊び回ることが出来る『てんしば』や、開園から約100年の歴史を持つ『天王寺動物園』などもあり、周辺のスポットも含めて全部見て回れば一日掛けて見て回るようなボリュームのある一大観光スポットです。
花見に、史跡散策に、動物や絵画鑑賞も色んな用向きで楽しむことが出来る天王寺公園、おすすめです。