今回は奈良県にある『吉野神宮』のご紹介です。
奈良の吉野、『千本桜』と評される山一面に広がる桜で有名な場所。
今回はそんな奈良吉野山の麓にある『吉野神宮』に一礼。
神社概要
ご創建の歴史
この神社があるのは奈良県吉野郡、吉野山は春に桜、夏に緑、秋には紅葉といつでも自然を愛でる事が出来る風光明媚な場所で、特に『千本桜』といって吉野山の上千本、中千本、下千本と呼ばれる山裾辺りから、山頂までの山中が桜に染まる圧巻の姿を見せる奈良県屈指の桜スポットでもあります。
吉野神宮はそんな吉野山山道途中にあります。
この神社の成り立ちは1339年、建武の新政で名が知られる後醍醐天皇が崩御した後、その子後村上天皇がその像を吉水院に安置します。
その像を以て供養が行われていましたが、明治6年になると神仏分離によって吉水院は後醍醐天皇社と名を改めることとなります。その後吉水神社とさらに名前を改めることとなる訳ですが、この時から別の神社を官費で以て創建する案がにわかに持ち上がりますが、そのまま棚上げされ約15年が経過します。
明治22年、後醍醐天皇を祀る『吉野宮』の創建のお話が本格化。今の吉野神宮の場所へ社殿が造営され、吉水神社から後醍醐天皇像が移され遷座祭が斎行され、大正時代になって吉野神宮に改称される事となり現在に至ります。
ご祭神・ご利益
ご祭神は創建の歴史の通り後醍醐天皇。
教科書なんかだと建武の新政や元弘の乱などで結構名前を見る天皇ですが、ご祭神としてお祀りしている神社は珍しいと言えます。
この時代は中々クローズアップされる事は少ないんですが、鎌倉幕府から南北朝時代、そして室町幕府に至るまで目まぐるしく移り変わるこの時代にも、やっぱり楠木正成や新田義貞などの英雄もやっぱりいて、目を向けてみると面白い時代です☆
ご利益は縁結び。特に山一面が桜で覆われる春は片思いの成就、両思いの永続、夫婦和合に至るまで恋愛運上昇のパワースポットとして全国から花見がてら参拝客が大挙して訪れるほか、結婚式場としても人気の場所でもあります。
あと、水にまつわる浄化のパワースポットとしても一部の方には有名なんだとか、これは神宮北部を流れる清流吉野川に拠る処が大きいものと考えます。
境内散策
吉野山の山裾にある小高い台地のような場所にある神社。境内はかなり広い割に社殿は大きく二つ程、広大な境内が益々広々と感じられ、山に囲まれ北は川、境内は澄んだ空気に満ちています。神社の歴史は古いけど、社殿創建は明治と比較的新しく建築様式や建材の檜は綺麗に整えられています。
拝殿・ご本殿
境内は北から南へ向かって続いています。これは後醍醐天皇が最後まで京都を恋しく思われた心情を慮っての事なんだとか。
ご本殿は境内最奥にあります。よい檜が使われているのか、近づくとまだ微かに木の香りがする参拝していて気持ちの良い社殿。
御影神社、船岡神社、瀧櫻神社
本殿向かって右にある三社『御影神社、船岡神社、瀧櫻神社』。
ご祭神は南朝方で活躍した、日野資朝、日野俊基、児島範長、児島高徳、桜山茲俊、土居通益、得能通綱がお祀りされています。
ご神門
本殿の手前にある一際立派なご神門。こちらもご本殿などと一緒に登録有形文化財。
舞 台
鳥居手前に舞台があります。境内は高台に面しているので、春には一面ピンク色に染まった山が一望出来るんだとか。
御朱印とかお守りとか
御朱印
御朱印は拝殿左にある社務所で頂けます。菊紋と抱葉菊のご神紋が印象的。挟み紙も綺麗。
ちなみに御朱印はご本殿のものと摂社分と2種ご用意があります。
お守り
この神社はフォトジェニックなお守りが多く揃っている事でも密かに有名だったりします。残念ながら桜玉は売り物ではなかったんですが、とんぼ玉や勾玉、煌びやかな鈴を設えられたお守りなど見た目にも綺麗なお守りが多く揃っています。
今回はこのハート型のお守りを家族分購入。ハート形というのは、現代は女性の為にあるような形ですが、昔は『猪目』といって、魔除けに用いられた形だったんだとか。
猪目とは文字通り猪からきているようで、怖いものや強いものを魔除けに用いるのは鬼瓦と同じ発想ですね。
宮司様からのご説法
もう一つ頂いたものがあります。宮司様からお守りを授かった際に一緒に頂いたのがこれ。葛湯というやつです。
この神社はご縁を司る神社で、神社ご参拝のご縁にどうぞという事です。
健康は皆が当たり前に享受しているものですが、健康にもご縁を感じ体を大事にしてもらうきっかけにして頂ければ幸いです。との事でした。
予想外に人から気遣いを受けるととても嬉しいものですね☆
アクセス
- 住 所:〒639-3115 奈良県吉野郡吉野町吉野山3226
- 駐車場:あり
奈良県吉野郡『吉野神宮』駅前から山道へ。境内には駐車場多数。駅前から徒歩だと30分位かかりますが、春・秋のシーズン中に山を眺めながら散策がてらゆっくり山登りというのもありかもしれません。
まとめ
今回はこれで以上です。
吉野神宮の旬はやっぱり春と秋、特に春は吉野山への桜見物客で山と言わず町全体が活気づくんですが、それ以外のいわゆるオフシーズンであれば参拝客はまばら。ゆっくりと境内は巡ることが出来ます。山と川で澄んだ空気に包まれた吉野神宮、お勧めです。